2020 Fiscal Year Research-status Report
Examining the estimation of the average usage period and their conservation method of main building of shinto-shrines that are not designated as cultural property by the national government
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18K04520
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
佐々木 健 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 准教授 (50787661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝又 英明 東京都市大学, 理工学部, 教授 (00257106) [Withdrawn]
小見 康夫 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 教授 (70409374)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社殿形式 / 社殿構成 / 御祭神 / 使用期間 / 建替理由 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度(1年目)の東北・関東・中部地方の神社42,520件に対し、令和元年度は北海道、近畿、中国、四国、九州地方の神社31,733件となり、3,571件にアンケートを送付し有効回答676件(18.9%)を得た。令和2年度(3年目)は当初、現地調査や補足調査を予定していたが、4月の緊急事態宣言やその後の研究室でのゼミの制限から完全リモート対応の研究に切り替え、主に3種類の研究(a.文献研究,b.データベースの精査,c.東京都の悉皆調査)を行い、コロナが収束しつつあった11~12月は現地調査(新潟、福島、長野等)を実施した。 a.文献研究:日本の美術2No.81,古代の神社建築,稲垣栄三著、原色日本の美術(16)神社と霊廟,稲垣栄三著、神社-その御利益と祭神-,川口謙二著 b.データベースの精査:全国の神社74,074件の神社名の地域性を検証。 c.東京都の悉皆調査:東京都神社年鑑(上・下巻)から東京都の全1,444件分の神社の名称、住所、由緒、御祭神、構造、竣工年、様式等を入力しアンケート結果と比較した。 令和2年度の研究成果は4年生3名が卒論「神社の名称・御祭神と社殿の形式・構成の関係に関する研究-全国と東京都の調査-」、「神社の境内建物と利用・氏子との関わりに関する研究―全国と東京都の調査―」、「神社建築の構法の変遷と地域性~全国と東京都の調査~」を卒業論文発表会で発表した。主な内容は東京都の神社の実態(名称、由緒、御祭神、氏子・参拝者、祭事、境内建物)、社殿形式(流造,神明造,権現造,入母屋造,他)や社殿構成等を文献(東京都神社年鑑)からデータベース化し精査した。また、神社名と御祭神、神社名と本殿形式などを検証し、全国の調査結果と比較し東京都の神社の特徴を明らかにした。同様に神社の利用や構法の変遷などについては東京都の神社の現地調査を踏まえ実態や特徴を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全国神社のデータベースの作成と一次(アンケート)調査の実施を当初の3年計画から1年前倒し2年目で完了した一方で、かつて実施した全国の寺院本堂の調査研究(本堂は1寺院に必ず1棟)とは異なり、神社社殿の場合はその構成が複雑でアンケートに記載できない特殊事例が数多く存在し、想定以上に多様(本殿が2棟以上ある等)であることが分かった。また、神社名称や御祭神も想像以上に多くこれらの関連も踏まえる必要性を認識した。しかし、既に完了したアンケート調査では確認しなかった内容も多数含まれることから、まずは、東京都の神社にて悉皆調査を行うこととした。そこで、東京都神社年鑑を入手し、この書籍から1,444件分のデータを入力し分析することで可能な範囲で検証することとした。今年度はコロナの影響もあり、これら文献調査を中心(一部、現地調査を実施)に行った。一方、アンケート調査では把握できていない全国の神社については研究期間を1年延長し、現地調査を来年(令和3年)度と再来年(令和4年)度に実施し、未確認事項を極力補完することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、今年度は現地調査を予定している。全国の神社を効率よく調査することを目標としているが、今年度は近畿、中国、九州を中心に調査を行う予定で、これまで得られたデータと合わせて精査する計画である。残る地域の調査は、翌年(令和4年度)への繰り越し申請を行う予定でいる。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で研究方法と対象を一時的に追加し、現地調査などを延期した為、余った。その分、1年延期し、残り2年を費やして現地調査を実施する予定。
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