2019 Fiscal Year Research-status Report
Automatic Generation of detailed 3D Building Models for BIM (Building Information Model)
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18K04523
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Research Institution | Gifu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
杉原 健一 岐阜協立大学, 経営学部, 教授 (80259267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沈 振江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (70294543)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | BIM / 3Dモデル / 自動生成 / 3次元建物モデル / 3次元CG / 自動配管 / ダイクストラ(Dijkstra)法 / ポリゴン分割 |
Outline of Annual Research Achievements |
詳細な建物の3Dモデルを作り、設計から施工、維持管理に至るまで利活用するBIM (Building Information Model)が、急速に進化・発展している。BIMの「3Dモデル」は、柱や梁、鉄骨、配管、空調ダクトといった建物を構成する部材やパーツを忠実に再現する詳細な3Dモデルを持ち、「図面の不整合」や「建築完了後に配管のため穴を開けるコア抜き」などの不具合を防止できる。しかし、現状では、3次元CADやCGソフト等を用いて、多大の労力と時間をかけ、数多いパーツのモデリング、属性情報の入力を行い、それらを回転・移動し、適切に配置し、建物の3Dモデルを作成している。そこで、これまでの研究成果である「電子地図上の建物境界線に基づいて建物の3Dモデルを自動生成するシステム」を発展させ、パーツを有する詳細な3Dモデルを自動生成することで、BIMの利活用を普及させる「BIM用3Dモデルの自動生成システム」の研究・開発を目的とする。具体的には、本研究では、次のことを目標とする。(1)建物を忠実に再現する詳細な3次元建物モデルの自動生成、(2)建物外部だけでなく建物内部、即ち、間取りを自動的に行い、その間取りに沿って、窓やドアやその他、建築部材を適切に設置、(3)性能を満たし全体のコストを最小にする配管の自動レイアウト。昨年度の研究成果として、詳細な建物の3Dモデルを自動生成するシステムの開発を行い、以下の研究成果をあげた。 (1) L字型ポリゴンの分離・整形による建物の自動生成(ソフト開発はほぼ完了、論文未発表) (2) 建物本体の四角形の組み合わせ時、窓やドアを設置できる壁を検出し矛盾のない建物の自動生成 (3) 四角形の方向性を考慮したポリゴン分割・整形による建物の自動生成 (4) 拡張したstraight skeleton手法による屋根の自動生成
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗状況として、「おおむね順調に進んでいる」と考える。その理由として、以下に示す「研究目標」に対して、2年目として、「現在までの進捗状況」に示すような研究成果をあげているからである。
【研究目標】BIMは建築設計・施工、維持管理のあり方を劇的に変革するものである。BIMの利活用の普及を妨げているのは「建物を構成する数多い部材の3次元形状モデリング作業、及び、部材の属性情報の入力作業の多大さ」である。これを激減させるために、これまでの研究成果である「電子地図上の建物境界線に基づく3次元建物モデルの自動生成システム」を発展させ、以下のことを目標とする。(1)建物を忠実に再現する詳細な3次元建物モデルの自動生成、(2)建物外部だけでなく建物内部、即ち、間取りを自動的に行い、その間取りに沿って、窓やドアやその他、建築部材を適切に設置、(3)性能を満たし全体のコストを最小にする配管の自動レイアウト。
【現在までの進捗状況】現在までの研究成果として、「持続可能な開発のためのBIM用3次元建物モデルの自動生成」、「分割四角形の隣接関係を明らかにするポリゴン分割法による屋根モデルの自動生成」というテーマで、地理情報システム学会、土木情報学シンポジウム、国際学会(SPSD 2019とETIC/RSET/SPSD Sympo2020)にて、それから、あらゆる形状の建物境界線に対して建物の3Dモデルを自動生成するために「最適化したストレートスケルトン手法による3次元建物モデルの自動生成」というテーマで日本建築学会と国際学会(CYBERWORLDS 2019)にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
【今後の研究の推進方策】 建築部材やパーツを備え、現実の建物をできる限り忠実に再現する「BIM用の詳細な建物の3Dモデル」を自動生成するために「四角形の方向性を考慮したポリゴン分割・整形による建物の自動生成」、「窓やドアを設置できる壁を明らかにするポリゴン分割法による建物の自動生成」等の手法を発展させ、「ポリゴンを四角形の集りまで分割し、その四角形の組み合わせ」で、自動生成システムは、ある四角形が隣接する四角形のどの辺にどのように接しているかを調べ、どの壁に、また、その壁のどの部分に窓やドアが設置できるのか、さらに、建物境界線全体をみて、どの壁にドアや玄関やガレージを設置するのが蓋然性が高いか、あるいは、ある壁のどの部分にどういった窓を付けるのが現実にありうるのかをコンピュータ幾何学に基づいて推定する新規のアルゴリズムを開発し、3Dモデルに窓やドアを適切に設置する。
次に、「ポリゴン分割して出来上がった四角形群」に対して、「面積の大きな四角形にガレージを配置」、「居室に外部に開かれた開口部設置」、「階段は1階と2階の平面図上で同じ位置に配置」、「廊下は階段や居室を連結」、「収納は窓が不要、外壁に面する壁を出来るだけ最小化」、「トイレや浴室などの水回りの窓が出隅(角部)となる場合は筋交いに考慮し、出隅から3尺離す配置、形状とする」などの制約条件のもと「自動的に間取り、部材の設置」を行うアルゴリズムを開発し、「詳細な建物の3Dモデル」を自動生成する。
最終工程として、自動的に出来上がった建物内部の間取りに基づいて、上下水道、空調ダクト、ガス管などを、優先順位とコスト最小化の条件の元で、主に「ダイクストラ(Dijkstra)法:最短経路探索法」を3次元空間に拡張し、さらに3次元の配管可能領域において適用し、最適に配管するアルゴリズムを開発する。
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Causes of Carryover |
(理由)当初、国際学会で研究成果を発表する予定で、その出張旅費と参加費を当科研費で執行予定であったが、コロナ危機で国際学会が中止となり、参加をキャンセルした。その結果、当該助成金が生じた。分担者 金沢大学 沈振江先生も同様に国際学会での発表の出張旅費と参加費を当科研費で執行予定であったが、中止となり、当該助成金が生じた。
(使用計画)当該助成金は、本年度請求した助成金とあわせて、主に、学生と共に国際学会にて研究成果の発表と意見交換、それから、最新の研究動向の情報収集等のために使用していく計画である。
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Research Products
(19 results)