2022 Fiscal Year Annual Research Report
The conditions and prospects of independent living at community for people with disabilities
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18K04525
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
糟谷 佐紀 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (90411876)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 住宅 / 障害者 / 居住形態 / 居住支援法人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は障害者の地域自立生活における居住形態について、その実績と展望を明らかにしようとするものである。かつて、「施設」か「親の家」の想定しかなかった障害者の住まいであるが、「脱施設化・地域生活移行」へと方針転換を行った障害者政策により、親の家以外の地域生活が選択肢となった。 障害者の地域生活は、住宅だけでなく生活を支える福祉サービスがなければ成立しない者は多い。福祉制度が拡充し、多くの障害者が福祉サービスを利用できるようになったが、住宅の確保が困難で独立した生活を実現できない障害者は多い。障害を理由に入居を断られるケースがある。 今年度は、住宅セーフティネット法の改正(2017年)によって制度化された居住支援法人のうち、支援対象に障害者を含む法人(385法人)を対象とし、郵送によるアンケート調査を行った。調査項目は、法人の概要、障害者と障害者以外を対象とした時の支援内容の違い、障害者の居住支援に対する負担感、障害者にとって特に重視する住宅の特徴などである。 調査の結果、法人の半数以上が入居拒否を経験し、その6割が他の住宅確保要配慮者と比べて多いと回答した。特に、精神障害者に対し、入居後のトラブル回避を理由とした拒否があるとの回答が多くあった。他の住宅確保要配慮者と比べ、障害者の居住支援の負担が大きいと感じる答えた法人は半数を超えた。負担を感じながらも、障害者の状況を大家や管理会社に丁寧に説明し理解を得られるように工夫、努力している法人の実態が明らかになった。障害者の住まい探しにおいて、半数以上の法人が、「家主の障害に対する理解」と「住居費(家賃や共益費)」を重視すると回答した。 今後さらに分析を進め、障害者の居住支援における課題を明らかにし、障害者が求める生活を実現できる居住支援のあり方を検討する予定である。調査結果の詳細は、建築学会大会において報告する予定で準備を進めている。
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Research Products
(2 results)