2019 Fiscal Year Research-status Report
医療施設の病床再編に伴う建築資源の再構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18K04526
|
Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
小菅 瑠香 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (50584471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 慎介 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70335123)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 医療施設 / 病床再編 / 増改築 |
Outline of Annual Research Achievements |
限られた医療資源を効率的に活用するために、医療施設は自院のニーズに応じて病床機能を再編するよう政策が進められている。本研究ではこうした政策に伴って発生した建築空間の余剰に対して、各医療施設でどのような対策がなされているかを明らかにし、今後の建築環境整備計画の一助とすることを目的としている。 2年目の2019年度は、3年目に建築的余剰空間の活用例の事例訪問調査を行うための前段階として、減床により建築空間の使い方に変化のあった全国の医療施設に、その理由や変更内容を問うアンケート調査を行った。実際には建築空間の使い方に変化があったかどうかをアンケート実施前に知ることは困難であるため、医療経済研究機構「全国保険医療機関一覧」の2015年~2018年の病床数変動データより、4床以上500床以下の範囲で病床数を減床させた施設680件を対象とし、2019年10月15日にアンケートを配布した。またアンケートの対象の選定において、2019年9月26日に厚生労働省より再編検討リストが発表されたため、現場の混乱を生じないための配慮として、掲載病院を対象から外している。 アンケートは郵送による選択及び記述方式とし、電子回答による返答にも対応した。質問項目としては、病床数を変更した理由、減床に伴う建築的変化、スペースの使い方の変化を聞いた。また病床再編に伴い建築がどのように変化したかを明確にする為、図面やパンフレット等の添付を求める旨を添えた。全国的に厚生労働省が医療施設に再編検討を迫っている難しい時期であり、また建築的変化を生じていない病院はそもそも回答しないケースが多いため、返答62件、回収率9%を得た。現在は2020年度の訪問調査先の選定も兼ねて、本アンケートの結果について集計・分析を行っている最中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度のアンケート対象施設選定に時間がかかったため、アンケート発送時期が当初の予定よりもやや遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は成果のまとめに入る予定であったが、現在のアンケート調査の結果分析から事例を抽出し、今後は訪問調査を並行して進めていく予定である。ただし現在多くの医療施設がCOVID-19の対応に追われている状況にあることから、訪問調査の実施も遅れる可能性がある。有識者の意見や医療現場の状況を聞きながら、臨機応変に研究を遂行する。
|
Causes of Carryover |
アンケート調査の対象の選定が遅れたため、全体の計画が後ろにずれている。このため、次年度の施設訪問調査などにかかる費用は繰り越し分も使用する。
|