2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elements of equipment for children with developmental disability in and around classrooms at mainstream schools
Project/Area Number |
18K04528
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
下倉 玲子 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (50510442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 要 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20311615)
佐々木 伸子 福山大学, 工学部, 准教授 (90259937)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 特別支援空間 / 発達障害 / 自閉症 / 小中学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
イギリスの特別支援学校の調査から、感覚刺激に働きかけて精神的な安定をもたらす効果のある空間を「感覚配慮空間」と定義し、分類した。具体的には、そこで行われる行動が「動的」か「静的」か、得られる刺激が「多様」か「限定的」かの2軸で表し、大きくは4つに分類できた。1)『刺激なし型』はカームルームに代表されるように外部からの刺激はあまりなくじっとして過ごすことを促す部屋である。2)『特定行動型』はソフトプレイルームやトランプリンルームなどの体を動かして発散するタイプの部屋である。3)『感覚優位(静)型』はセンサリープールとハイドロセラピープールが該当する。4)『感覚優位(動)型』はテラスやプレイグラウンドなどの屋外空間で、自然の刺激を受けながら動き回ることができる。 以上より、イギリスの特別支援学校には、感覚配慮空間が多様に配置されていることから、生活・学習の拠点となるクラスルームを中心に据えた感覚配慮空間の構成を分析した。分析に使ったサンプルは71のクラスルームである。幼稚部では専用のプレイグラウンドが配置されることが重要であること、小学部ではクラスルームの近くにカームルームなどの『刺激なし型』の部屋と隣接して『感覚優位(動)型』のテラスを配置し、クラスルームからの逃げ場を「静的」と「動的」の両方で造ること、中高等部になると廊下など当たり前にある空間で気持ちを落ち着けることができるようになっており特別に感覚配慮空間を配置することに対して強い必要性はなくなることを捉えた。 上記内容は、口頭発表の他、Taylor&Francisが版元の国際的ジャーナルのJAABE(査読付き)とSpringerが版元のEncyclopedia of Educational Innovation(査読付き)に掲載された。
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