2020 Fiscal Year Annual Research Report
Urban Planning History of the Midlle East and North Africa region from the viewpoint of Japanese cooperation-Beyound the Islamic city-
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18K04530
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松原 康介 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00548084)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルジェ / 進化型計画論 / CIAM / ビドンヴィル(スラム) / カスバ / ヘレニズム基盤 / スーク / ベイルート |
Outline of Annual Research Achievements |
いわゆる「イスラーム都市」論の問題が、歴史学等の都市研究における認識論的問題であるだけではなく、むしろ実践的に都市を計画していく上での問題であることを指摘した、アブー=ルゴドの議論を受け、より現代的で住民生活に基づく視点から、中東・北アフリカ地域の都市計画史の一端を明らかにすることが、本研究の目的である。最終年度は、昨年度に概念構築を行った伸縮自在の「進化型計画論」について、アルジェのスラム研究を通じて仮説的な応用研究を行った。 JAR論文「Some learnings Gyoji Banshoya acquired from・・・」では、1953年にエクス=アン=プロヴァンスで発表されたCIAMアルジェによるヴィドンヴィル(スクウォッター型スラム)調査の展示パネルを題材に取り上げた。パネルには、人口動態や産業といった基礎データに加え、スラム住民の生活ぶりや、住民がトタンや木材で建設した住宅の空間構成等が克明に描かれ、戦後のスラム問題の世界的な提起を行ったものである。ATBATにおいて「進化型計画論」を提起していた番匠谷堯二は、アルジェのスラム事業担当者としてこの展示パネルを精査し自ら雑誌で発表を行った。そこで注目すべきは、住民自身がスラム空間を形成していくプロセスが、元はヘレニズム基盤を有していたカスバ(旧市街)の変容プロセスと比較言及され、それがまた一つの「進化」と位置付けられる点である。 本年度はコロナの影響により、予定していた海外調査は実施出来なかったが、国外CPと連絡をとりつつ、文献中心の研究に切り替えて進めた。指導下の学生を第一著者とするベイルートの戦災復興計画の評価を扱った論文が出版された。また年度末にかけて2本の査読論文を執筆し現在投稿中である。ここでは難しいが、無事に採用されれば業績欄に追記したいと思う。
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Research Products
(16 results)
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[Book] 沙漠学事典2020
Author(s)
日本沙漠学会
Total Pages
534
Publisher
丸善出版
ISBN
978-4-621-30517-1
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