2021 Fiscal Year Research-status Report
An Analytical Inquiry on Formal Manipulations of Architectural Structure in Architects' Sketches and Their Attempted Application toward Studio Education
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18K04532
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
富岡 義人 三重大学, 工学研究科, 教授 (50237111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田端 千夏子 三重大学, 工学研究科, 准教授 (30508544)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 設計過程 / 設計プロセス / 設計スケッチ / 設計方法 / 図的思考 / 架構形態 / 構造計画 / 設計教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、村野藤吾の広島世界平和記念聖堂およびサビエルホール、芦原義信の駒沢オリンピック公園体育館、芦原義信の武蔵野美術大学アトリエ棟、吉阪隆正のヴェニス・ビエンナーレ日本館、坂倉準三の神奈川県立近代美術館などの設計過程研究を遂行し、これらについては論文の取りまとめをおこなっているところである。ほかにアルヴァ・アアルトなどの海外の建築家の資料入手についても引き続き交渉・手続き中である。 発表論文により、建築の設計過程の図的分析方法について明確にすることができたと考えている。また、各建築家・各作品において、空間構成と構造計画が並行して進むという実践的事実を、証拠に基づいてはっきりと示したことは、構造計画に対する無視が散見される大学における設計教育に、具体的な反省を迫るものであったと考えている。このことをさらに明確に示すため、研究目的に記した通り、大学課程の設計製図教科書:「建築デザインの構造と造形」の改訂に具体的に取り組んでおり、現在出版社と内容協議中となっている。名城大学・千葉大学など、他大学からの意見やフィードバックを十分取り入れるべく、改訂原稿の執筆に着手するところである。 富岡義人, 田端千夏子, 男鹿智哉: 吉阪隆正のヴェニス・ビエンナーレ日本館の設計過程 国立近現代建築資料館所蔵の設計スケッチ・図面の分析を通じた形態操作の再構成, 日本建築学会計画系論文集, 第87巻, 第799号, 2022.9(採用・掲載決定) ほか口頭発表3件、このほかに4月現在で学術論文1編査読中。口頭発表2編投稿中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、感染症蔓延などの状況により、作品見学、研究資料収集などの活動に支障が出て、一部研究および研究発表(特に海外での教育実践の試行セッションが遅滞していたが、論文を複数準備中であるなど、最終の研究成果の取りまとめに入るとともに、教育コンテンツの整備に着手するなど、順調に進行しつつあると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り迅速に研究の取りまとめを行う。また研究成果の普及、とくに設計製図教科書の内容への増補を通じて、具体的で健全な建築設計の教育に資する成果をまとめ切りたいと考えている。また、英語翻訳論文の発表、海外大学での研究成果の公表などの可能性も引き続き追求する。 論文査読に時間がかかる状況が続いており、本研究課題の学術誌への発表は、多少ずれ込むことが危惧される。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画に存在した海外での資料調査、研究発表、教育実験事業などが、感染症蔓延などの事情で延期となったため。現在遠隔による実施や、電子的な資料収集などの交渉を行なっているところである。
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