2018 Fiscal Year Research-status Report
Research on the constrution by militaly technology in opening-port period of Japan and Asia
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18K04535
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
大田 省一 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (60343117)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 軍用建築 / 開港地 / 植民地 / 擬洋風 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当該課題の初年度であるため、国内外の研究会・学会に出席し、研究者間ネットワークの構築などに努めた。 まず、韓国での東アジア都市史学会にて、日本とベトナムの都城に関する研究発表を行った。両者とも中華文明圏の周縁国としての位置づけは共通しており、その中での都城建設に関する比較研究である。すなわち、輸入された中国都城概念の多様性から導かれる中国南北間の都市概念の差異、両国における都城概念の取捨選択、およびその調整の役割を担う中間機能について、それぞれ考察を行った。ここでまとめた都市概念と都市建設技術との関係は、当該研究課題において基礎事項ともなるものである。 また、滋賀県彦根にて開催されたイコモス(国際記念物会議)の城郭部門会議であるICOFORT国際会議において、アジアでのフランス築城術の応用事例の研究としてベトナム阮朝の城郭建設に関する研究発表を行った。中国都城の概念の影響を受けつつ伝統王朝により形成されてきた在地の都城概念と、王朝に雇われたフランス工兵隊の築城技術との相克をテーマとし、軍事技術による要塞建設と都市建設の実態を明らかにした。発表の後、フランス・エクスプロヴァンス大学、ユネスコ本部の研究者らと研究協議を行った。 本年度予定されたフランスでの史料調査は、現地情勢不安のため延期したが、別途、インドシナ及び近隣のニューカレドニア等の旧フランス植民地における軍事技術による植民建築の事例に関する資料、古写真史料、先行研究論文などを入手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、学会・研究会への論文投稿、口頭発表をすることができ、研究成果の公開では予定通りに実施することができた。また、国内調査により収集した史料の調査も予定通りに進展している。 但し、海外調査については、対象国フランスの情勢不安による安全確保の困難、調査先の公的機関の閉鎖が予想されたため、本年度は中止として次年度以降への延期とした。その分、現地研究協力者とは連絡を取って調査計画の立て直しをすすめ、次年度での調査再開を企図している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の調査延期を受けて、新たにフランスでの史料調査の計画を立案している。本年度参加した学会での学術協議を受けて、現地研究者からの情報を基に調査内容を当初以上に充実できる見込みである。その他、近隣アジア・太平洋諸国での開港期施設の調査を行う。日本国内では、開港期の建築に関する史料調査を進める。
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Causes of Carryover |
海外調査予定地であったフランスでの情勢不安による公的機関の閉鎖の虞があったため、史料調査を延期した。次年度では、新たに調査計画を立案し、現地調査を実施する予定である。
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Research Products
(3 results)