2023 Fiscal Year Annual Research Report
Sociohistorical study on infrastructure management in early modern cities
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18K04545
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
松本 剣志郎 法政大学, 文学部, 准教授 (80468719)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 江戸東京 / 道普請 / 橋普請 / 公共負担 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はコロナウィルス感染症により延期ないし遠慮していた各地の古文書調査に赴きつつ、これまでに得られた史料をもとにした研究成果を発表する機会を得た。 古文書調査については、まず6月に盛岡藩政史料の閲覧のために、もりおか歴史文化館を訪れた。膨大な藩政史料より「御在府留」や「廻状写」などを撮影した。ここでは盛岡藩の所属した外桜田辺下水溜枡浚組合に関する史料などを得た。8月には致道博物館を訪ね、庄内藩酒井家文書を閲覧・撮影した。神田上水組合普請金請取証や下谷道造組合負担金請取証は、実際に組合年番から発行されたもので、組合の運営を考える上で重要である。この調査において致道博物館学芸員より、鶴岡市郷土資料館にも関係文書があるとのご教示を得た。そこで11月に改めて調査に赴き、竹内家文書の江戸日記、国分家史料の普請方控えなどを閲覧・撮影することができた。また閑散文庫の藩邸記は、酒井家江戸屋敷周辺の図を多く含み、下水等の状況がわかることから重要な史料といえる。12月には姫路酒井家文書の紙焼きを群馬県立文書館で閲覧・撮影した。多量の江戸日記より幕末のものを撮影した。以上をもって科研費による古文書調査は終了した。 研究成果の発表の場として、7月に近世史サマーセミナー(於早稲田大学)の全体会(テーマ「都市江戸から近世史を考える」)の報告者として発表した。「江戸東京の公共負担と地域」と題し、江戸から東京をまたぐ道普請と橋普請の具体相から、地域社会や都市の近代化を考えようとした(要旨は『民衆史研究』106号掲載)。12月には東京大学の谷本雅之氏を代表とする科研「装置としての世帯1750~2000」の研究会において、やはり江戸と東京の公共負担について発表する機会を得た。それぞれにおいて今後の研究についての指針を得られた。
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Research Products
(2 results)