2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04547
|
Research Institution | DAIICHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
河原 洋子 第一工業大学, 工学部, 教授 (50618684)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 薩摩藩 / 景観 / 京都文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまず、近世初めの島津家16代当主島津義久による国分の都市づくりの背景や計画方法を、義久と当時の都・京都とのつながりに着目した文献調査と現地調査により明らかにする。薩摩藩には100カ所以上の麓と呼ばれた武家集住地があり、国分は近世に建設された麓の中で最も初期の、且つ大規模な麓の一つである。次に、ここまでに明らかにした義久と京都との関りなどから、京都をキーワードに設定することで麓を全体的につなぐストーリーを見出そうとすることによって研究を進める。 2019年度は以上に関する文献調査と現地調査を前年度に継続して行った。主な文献調査は、国立国会図書館、及び鹿児島県内と京都市に所在する図書館や資料館において実施した。主な現地調査は、義久が晩年に居住した霧島市国分とした。また、明治の廃仏毀釈で廃寺となった義久が国分に建立した龍昌寺跡に残る墓地の整備活動と調査を行った。京都においては、義久が天正15年から慶長4年に断続的に在京した当時に存在した社寺や城郭、屋敷群などから特に義久が訪れた場所を選定し現地確認と記録、資料等を収集した。更に、研究実施計画で述べた、本テーマに関する公開研究会「薩摩の麓の地元研究とその活かし方(国分)」を開催した。義久の都市づくりや京都という着眼点を広め、国分における地元研究の現状を把握することを目的とした。また、次年度に開催を予定しているシンポジウムの準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は予定していた文献調査と現地調査、及び研究会の開催を実施できたため「おおむね順調に進展している」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は文献調査と入手した資料の整理・分析を継続する。現地調査は京都における調査を継続する。麓については、国分に限定せず全体を研究対象とする。 また、専門家の講演と議論を行うシンポジウムを開催する。スケジュール等は既に計画したが、感染症対策の影響が出ると考えられ、適宜対応しながら進める必要がある。以上の結果より研究成果をまとめる。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、本年度は文献調査・現地調査の途中であり、図書等の購入費や現地調査の旅費が一部使用されなかったためである。これらの研究は適切な時期において継続・実施することとし、次年度以降に使用されることになる。
|