2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation for Speed Ratio Dependence of Rarefied Aerodynamics Using Hypersonic Rarefied Wind Tunnel
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18K04565
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
小澤 宇志 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (70567544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊之 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 主任研究開発員 (20392839)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 航空宇宙工学 / 希薄風洞 / 数値解析 / 希薄気体力学 / DSMC / 極超音速流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、極超音速希薄風洞実験と粒子数値解析を行うことにより、極超音速希薄気体空力現象の計測手法を確立し、物質表面係数及び希薄空力の速度比依存性を評価することによる希薄空力予測精度の向上を目的とする。希薄空力計測と粒子数値解析の融合による手法を用いて極超音速希薄空力の速度比依存性を解明する。さらに、得られたデータを用いてより正確で新しい表面モデルを構築することで、数値計算希薄空力予測の精度を向上させ、大気突入カプセルや超低高度衛星等の軌道制御システムの信頼性の向上を目指すものである。今年度の主な研究の成果を以下に示す。 1. 昨年度の表面温度冷却用ピトー管型模型の結果を踏まえて、表面温度冷却用二重管透過型模型を製作し、希薄効果・表面温度依存性(速度比依存性)を評価した。管内の圧力と液体窒素表面温度冷却およびヒーター加熱による流速の上昇によって、速度比を約2倍変化させたところ、速度比によって圧力が3倍程度変化する結果が得られた。 2. DSMC数値解析によって、表面温度冷却用二重管透過型模型管内の圧力を評価したところ、解析でも速度比の上昇に伴い、圧力も上昇し、実験結果と同傾向であることが判明した。 3. 出口直径を狭めた二重管インテーク形状模型を製作し、表面係数依存性を評価した。拡散反射のケースでは解析結果は実験結果と良い一致を示し、出口透過率が高い場合、出口圧力が表面係数に依存することが判明した。ただし、解析では圧力がほぼ線形に表面係数に依存しているのに対し、実験ではその傾向が得られなかった。上記の結果を踏まえ、極超音速希薄領域における既存の表面モデルと比較検証することによって、新しい表面理論モデルを構築し、粒子数値解析手法に導入することで理論モデルを工学応用レベルにまで引き上げる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の流行のため、希薄風洞実験の日程が確保できず、計測回数が制限され遅れが生じている。表面温度冷却用二重管透過型模型管内の圧力計測結果のデータ数を増やすとともに、DSMC解析にて管内の表面温度変化や計測ポートの大きさ依存性を評価することによって解析精度を高める予定である。また、表面係数を変化させるためのコーティングの表面粗さが影響している可能性があるため、その影響を検証する予定である。これらの結果を踏まえ、表面モデル依存性を評価し、極超音速希薄領域における新しい表面理論モデルを構築していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. DSMC解析結果の方が計測結果と比べて、圧力の速度比依存性が低いため、DSMC数値解析によって、表面温度冷却用二重管透過型模型管内の圧力における管内の表面温度変化や計測ポートの大きさ依存性を評価することによって解析精度の向上を図る。 2. 出口直径を狭めた二重管インテーク形状模型の表面係数依存性評価に関して、解析では圧力がほぼ線形に表面係数に依存しているのに対し、実験ではその傾向が得られなかった。実験において表面係数を変化させるためのコーティングの表面粗さが影響している可能性があるため、表面粗さ要求を加えた模型と比較検証することにより、その影響を検証する予定である。 3. これまでの結果を踏まえ、極超音速希薄領域における新しい表面理論モデルを構築し、粒子数値解析手法に導入することで理論モデルを工学応用レベルにまで引き上げ、極超音速希薄気体の空力特性評価の改善・高精度化を図る。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行のため、希薄風洞実験期間が制限され、実験計画に遅れが生じ、費用の一部が来年度に持ち越された。希薄効果・表面温度依存性評価に向けた実験を実施するため、希薄風洞実験消耗品の調達に使用予定である。
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Research Products
(2 results)