2020 Fiscal Year Research-status Report
受動リンク機構をもつROVとケーブル張力制御可能なASVによる観測システムの開発
Project/Area Number |
18K04586
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
佐藤 雅紀 長崎総合科学大学, 工学研究科, 准教授 (10709067)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水中ロボット / ASV / ROV / モザイク画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,(1)受動リンク機構を有することでロバストな姿勢制御が可能な遠隔操縦型探査機(ROV)の開発と,(2)ROVのケーブルの張力を制御可能な洋上自律探査機(ASV)を開発する.(3)これらROVとASVを同時展開することで,リアルタイムに船底を観測し,船底の異常個所を特定可能なシステムを開発する.さらに,(4)実海域において開発したシステムの有効性を確認する.今年度は次の3つの課題について取り組んだ. 課題(1)における受動リンク機構の開発について,前年度に開発環境を整備し,今年度は数値シミュレーションを実施する予定であったが,簡易的な動作確認までにとどまった. 課題(2)におけるASVの開発については,申請時からASVの形状を船形からセミサブ型に変更したため開発の着手が遅れていた.前年度に開発した試作機をもとにASVを設計・開発し,試験水槽において動作確認まで達成した.(実績として学会発表を3件). 課題(3)における船底の異常箇所の特定については,試験水槽において船底を模擬した環境を用意し,ROVで撮影をした.ROVは深度一定,方位一定で走行した.モザイク画像の生成の際,画像の補正を行うことで撮影した画像をすべて用いることができ,4m×2mの範囲で歪みが小さいモザイク画像を生成できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はROVとASVが連携した観測システムを開発するが,当初予定していた船形のASVをセミサブ型のASVに変更したため,ASVの開発に時間を要した.現在のところASVのハードウェア開発が完了し,ソフトウェアの開発をすすめている. 以上から,計画からやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究でASVのハードウェアについて実装がほぼ完了した.ソフトウェアについては,別途開発をすすめており移植することで対応が可能と考えている. ROVの形状を最適化するための数値シミュレーションについては実装が遅れているため,シミュレーション結果をROVへ反映させること難しいと判断し,最適化シミュレーションの実装までにとどめる. 代わりに完成したASVとROVが連携した観測システムの開発に注力し,安定して船底を観測可能なシステムに仕上げる.現在,ROVを牽引するためのシステムの開発をすすめている.
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Causes of Carryover |
研究計画の軽微な変更と,参加予定していた学会のオンライン化のため差額が生じた. 今年度研究の完成を目指し,学会等での成果発表のための諸経費として使用する計画である.
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Research Products
(3 results)