• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

Development of Lubricating EA Gel Oil of Marine Engine for VGP

Research Project

Project/Area Number 18K04587
Research InstitutionYuge National College of Maritime Technology

Principal Investigator

村上 知弘  弓削商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (60280476)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 池田 真吾  弓削商船高等専門学校, 商船学科, 助教 (00749707)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords潤滑油 / 環境配慮型 / 海洋環境 / ゲル
Outline of Annual Research Achievements

本研究ではVGPに対応した環境配慮型の潤滑油に注目し、船舶機関室で扱いやすいゲル潤滑油の開発を試みた。本研究に使用した吸油性ゲル(オイルゲル)は主鎖としてアクリル酸オクタデシル(ODA)と架橋剤としてジメタクリル酸エチレングレコール(EGDMA)で合成した。そこに潤滑油(シェルガデニア30)を加えて溶解させた。次にイニシエーターとしてアゾビス(イソプチロニトリル)(AIBN)を加え溶解させ、ゲル化させた。これらをSEMで調査し、表面形状を吸水ゲルやグリースとの比較検証を行った。さらにフーリエ変換赤外線分光光度計(FTIR)(JASCO FT-IR4600)を用いて、ゲル化の状態を確かめた。
オイルゲルのSEM画像(1200倍)では、ブロッコリーのようなフラクタル形状が見られた。さらにオイルゲルの5000倍のSEM画像からも同様なフラクタル形状が見て取れた。詳細な議論には至っていないが、ゲル化の状態が明らかに吸水ゲルとは異なり、SEM画像からも吸水ゲルとは全く異なるフラクタル形状のような構造が見られた。一般的なグリースのSEM画像で見られる増ちょう剤の形状とも大きく異なることが明らかとなった。
一方、FTIRの結果から、通常の潤滑油では炭化水素のみの化合物であり,官能基が無いため非常に単純なスペクトルとなり、C-H結合、CH2,CH3が対で現れる。しかしながらゲル化されたオイルゲルの場合、1750-1735 cm-1あたりにC=O 伸縮のピークが現れる。本オイルゲルは、物理ゲルであり、温度依存性があるが、ゲル化していることは明らかとなった。また油の融点は、脂肪を構成する脂肪酸によって決まるため、今後は不飽和脂肪酸のように炭素2重結合をコントロールすれば、融点がコントロールできるのではないかと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウィルスの影響により、2020年度の前期は学校がすべて遠隔授業となり、学生の来校は禁止となった。また当該研究者も自宅勤務となり、学校での勤務ができなくなった。本研究は、基本的に実験を行うことがすべてであり、全く実験が行えない状況となった。これらにより、実験の進路は著しく遅れることとなった。さらに後期もこれまでのようには実験を行うことができず、1年の延期を申請し、受理された。
現在、架橋の異なる潤滑油のゲル化を行っているが、最適の潤滑油のゲル化には現在至っていない。早急に実験をはじめているが、コロナ禍の状況が続き思うように進んでいない。ITIRの検知部の機器を増やし、1回の実験で数種類の計測を行えるようにした。これによって検体数を増やし、研究速度を増している。

Strategy for Future Research Activity

これまでは、FTIRの検知部が1回使用するときれいに清掃を行う必要があり、1回の計測で多くの時間を要していた。実験回数を増やすために検出部の機器を複数購入して毎回の清掃時間を減らし、連続して計測することを可能とした。これによって時間が短縮され、トライアンドエラーで多くの実験が可能となる。ただし、現在もコロナ禍で学生の十分な協力が得られる状況にない。今後夏までに多くの潤滑油ゲルを作製する予定である。これらによって最適な潤滑油ゲルを見つけ出すこととFTIRを用いてゲル化の状態を明らかにして、内燃機関等の実機での使用実験まで予定している。

Causes of Carryover

新型コロナウィルスにより、学校が学生の通学を禁止して遠隔授業となり、当該研究者も自宅勤務となるなどほとんどが実験の当該研究において、実験が著しく遅れた。それに伴う成果発表などもできなくなり、次年度へ持ち越すこととなった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Development of Lubricating EA Gel Oil of Marine Engine for VGP2020

    • Author(s)
      Tomohiro Murakami
    • Journal Title

      Impact

      Volume: 4 Pages: 57-59

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 環境配慮型潤滑油のゲル化2020

    • Author(s)
      村上知弘
    • Organizer
      第90回マリンエンジニアリング学術講演会

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi