Droplet Evaporation and Ignition Delay Model based on Physical Properties for Low Ignitablity Fuel

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K04588
• Research Institution: National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology
• Principal Investigator: 高木 正英 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (50371092)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 今井 康雄 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (40426218)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 液滴蒸発モデル / 着火性評価モデル / 舶用燃料

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，直鎖系の分子構造を持つ燃料だけではなく，一環，二三環の芳香族分もほぼ同等に含まれている舶用燃料を対象にして，燃料物性を利用し，物理化学的な現象面や燃料性状を考慮する液滴蒸発，着火に関する評価モデルを提案，構築することを目的にしている。
本年度は，液滴蒸発モデルの修正と着火モデルの作成，次年度実施するモデル燃料の選定を行った。
液滴蒸発モデルは，重力場および液滴直径が大きい場合の実験比較にも精度良く対応できるよう，グラスホフ数の効果を追加した。これにより特に雰囲気圧力変化による液滴蒸発を再現できるようになった。
着火モデルとしては，重質系の成分も考慮したCCAI値（重質油に用いられる着火性指標）に対応できるように，動粘度を予測できる燃料モデルも併せて構築した。留出油燃料モデルから重質油系燃料性状として分析されるレジン，アスファルテンを評価に加えることで重質油系に対応している。また，蒸発モデルにより，留出油系の着火性指標であるセタン指数と蒸発性の関係を評価できることを確認した。
モデル燃料は，燃料の蒸留特性において中間の留出成分がほとんど含まれていない燃料（いわゆるダンベル燃料）をモデル化し，次年度に実験を実施する。低，中，高沸点成分として沸点の近い飽和分と芳香族のそれぞれを選択している。組み合わせた燃料において上記の液滴蒸発モデルを利用して液滴径，温度の変化を調べ，少なくとも低，高沸点成分の混合燃料において，蒸発中盤での蒸発速度低下を生じることを予測している。
また，試薬炭化水素を用いた着火性実験のテストを実施した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初検討していた着火モデルの作成で燃料を上手く表現できず，他の方法を検討していたため，実験がテストまでで，データ取得まで到達できなかった。最終年度で早急に実験を実施し，モデル検証に対応し，当初計画を完了させる。

Strategy for Future Research Activity

最終年度は，試薬による二成分燃料とダンベル燃料を想定した二，三成分燃料，実燃料として舶用留出油および基材を対象に着火性，燃焼試験を実施する。
その後，作成，開発したモデルの有効性を確認する。

Causes of Carryover

一昨年度に購入した計算機の入札の結果，低価格にて購入できた分を本年度使用することにしており計算機，発表用ノートPC，試薬等に充当する。