2018 Fiscal Year Research-status Report
Direct stability assessment for towed ship in multi-directional irregular waves considering 3D dynamic towline tension during tow
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18K04592
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
黒田 貴子 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (00415811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正一 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (60399524)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 時間領域船体運動計算法 / 短波頂不規則波 / 動的索張力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では短波頂不規則波中での時間領域船体運動計算法と船舶曳航時の索張力を動的に解く3次元動的索張力計算法を構築し,曳航時の船の復原性を直接評価する手法を提案するものである。今年度は短波頂不規則波中での船舶の時間領域での船体運動計算法を構築した。時間領域での3次元特異点分布法によるメモリー影響関数を考慮した船体運動計算プログラムを作成し,停止時短波頂不規則横波中での船体運動計算を実施した。ここで扱う波の周波数スペクトルはITTC型を,方向スペクトルは横波を主方向としたCOS4分布で与えた。波形表現はシングルサンメンション法とし,初期位相と方向角初期値は乱数を与えて設定した。コンテナ船を供試船として試計算を繰り返し,計算時の不規則波成分波分割数や安定した解が得られる計算時間を検討した結果,波周波数分割を150,計算時間を実スケールで3時間相当とした。 時間領域計算での波の初期位相と方向角に乱数を与えて変化させた5ケースの計算を0.01秒刻みの3時間相当実施し,同様の条件で7ケース実施した模型実験結果と比較した結果,横揺れの模型実験結果と時間領域計算の95%信頼区間は重なっており,今回作成した時間領域計算法の横揺れは十分な精度であることを確認した。 本計算法を用いて現在IMOで審議中である第2世代非損傷時復原性基準を参考に直接復原性評価を実施した。短波頂不規則波中でのコンテナ船の横揺れ,横加速度を北大西洋の波浪発生頻度表(IACS No.34)にある波浪条件すべてで計算し,求めた短期発生確率から波浪発現頻度を用いて長期発生確率を求めて示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
短波頂不規則波中での時間領域船体運動計算法の作成は予定通りに進んでおり,計算時の条件である波周波数分割数や計算時間の検証や計算法の精度の確認も実施した。現在,箱船を対象に3次元と2次元特異点分布法による流体力計算の違いを比較している。 また,今後実施予定である曳航時の索張力及び被曳船の挙動計測実験で用いる索張力と張り出し索方向角を計測する冶具を設計し,製作した。さらに模型実験時に曳引台車から曳航索で曳引される被曳船の軌跡と船体運動計測方法の検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
船舶の曳航時には被曳船が既になんらかの影響を受けて定傾斜を起こしている場合が多い。そこで短波頂不規則波中での船体が定傾斜している場合での時間領域船体運動計算を実施する。直接復原性評価の方法は,現在IMOで審議中の第2世代非損傷時復原性基準を参考にする予定である。また,3次元ランプドマス法による索張力計算法を作成し,1点係留状態での動的索張力計算を行う。 作成した時間領域計算法及び動的索張力計算法の検証のために模型実験を2年目に実施する予定であったが,使用する施設の都合上,3年目に実施することとなったが,研究遂行上問題はない。
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Causes of Carryover |
模型実験用張力・張り出し方向角計冶具を曳航索両端(曳船・被曳船側)に設置するため2台必要であったが,計算プログラムの作成を進めるために必要な計算用PCを購入したため予算が足りなくなり被曳船側の1台を製作した。翌年度に他の模型実験計測機器とあわせて製作する予定である。
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