2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K04594
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
林原 仁志 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20511588)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腐食疲労 / き裂進展 / 応力腐食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、低ΔK領域、特に進展速度の下限界値PGRを実験的に決定することにある。腐食疲労き裂の進展速度が応力拡大係数(K値)範囲ΔKに依存する大速度領域と比較して、低ΔK領域における一定速度に近いき裂進展挙動は、実験上の制約から、定量的な面では正確に評価されてこなかった。一方で、実船の荷重履歴を考えると、後者の低K値範囲領域における下限界進展速度の値が、船体構造の腐食疲労寿命を解析する上で重要となる。低K値範囲領域における下限界進展速度を明らかにすることで、船体構造における腐食衰耗との競合現象をより正確に解析できるようになり、より実際に即した長期寿命予測が実現できる。 今年度は、マルチターミナル電位差法の腐食疲労き裂計測への適用性を検証し、予想されるき裂進展量に対しては、直流法では感度が不足すると推定されたことから、交流法の採用を検討し、kHzオーダーの交流電流を印可することで、表面き裂進展計測に対する感度が確保される見通しを得て、具体的計測法の設計及び機材選定を実施した。 長期試験を円滑に実施するため、装置の自動化を計画し、既存設備と連携させデスク及びリモート環境でモニタリング及び一部の制御を可能とした。 海水環境で腐食疲労試験を行うための実験装置及び試験片測定を自動化する装置の開発製作を行うと共に、無負荷状態でのき裂模擬スリット寸法の進展挙動を浸漬実験により評価している。腐食促進環境ではスリット深さと進展挙動に相関が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
社会情勢の影響を受け実験実施が困難であったこと及び出来るだけき裂進展量を確保するために長期の試験が必要となったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
事業期間の延長により長期試験を実施する期間を確保した。
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Causes of Carryover |
実験実施の遅れ及びそれによる試験計画の再策定を行ったためであり、試験片の製作及び試験実施に関する消耗品費として使用する。
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