2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04600
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
梶山 朋子 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (20454085)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 感情推定 / 購買行動 / 商品推薦 / 商品レビュー / 商品パッケージ |
Outline of Annual Research Achievements |
潜在顧客の感情と購買活動中の閲覧パッケージ画像の関係性を調査するために,Webカメラを用いてた視線追跡機能を搭載した自動販売機システムを開発し,購買活動調査の実施した.調査対象飲料は,商品消費後の印象が異なる炭酸飲料16本である.潜在顧客は,商品パッケージ画像が与える印象から,自分の現在の感情に合う商品を選択すると仮定し,商品レビューを活用して商品消費後の感情を抽出し,その感情を反映させたパッケージ画像を生成し表示した.400回分の購買活動に対し,潜在顧客の服装や視線情報,購入した商品の満足度や消費意欲を取得した. 購買活動調査から取得したデータの分析により,色彩からの感情推定アルゴリズムと,推定した感情に基づく商品推薦アルゴリズムを検討した.感情を表現する形容詞や形容動詞などと色の関連性を表現する色彩データベースを活用し,服装や閲覧パッケージ画像から感情を推定した.また,閲覧商品パッケージの特徴,購買商品の特徴,満足度や消費意欲との関連性を検証することで,推薦する商品を決定した.購買活動調査を行うために開発した自動販売機システムに,これらのアルゴリズムを搭載することにより,商品推薦提示システムを構築した.構築した商品推薦提示システムに対し,24名を対象として評価実験を実施した.システムが推薦した商品を購入した実験協力者の方が多かったが,推薦していない商品を購入した実験協力者の方が,満足度や消費意欲が高くなる結果となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
商品提示システムの構築は行えたものの,新型コロナウイルス感染症に伴う情勢により,対面での評価実験が実施できなかった.オンラインで動作する商品提示システムを開発し,評価実験を実施したが,有効性の確認までは至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
課題の完遂に向けた課題として,提案システムの評価が挙げられる.商品探索過程におけるユーザの行動や意思決定のゆれを含めた定性的な評価方法を検討するとともに,潜在顧客の感情の推移に基づく商品提示システムの有効性を検証する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,対面によるシステム評価実験は実施できなかった.オンラインに切り替えた実験を行ったものの,十分な評価実験は実施できなかったため,実験協力者への謝金の一部を使用しなかった.次年度では,評価方法を再度慎重に検討した上で,評価実験を実施する.
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