2021 Fiscal Year Annual Research Report
Quasi-Monte Carlo Simulation for High-dimensional Systems with Complex Structure
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18K04602
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
諸星 穂積 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (10272387)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シミュレーション分析 / 準乱数 / モンテカルロ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
サンプルに基づくノンパラメトリックな接合関数(経験ベータ,経験バーンスタイン)による乱数と準乱数を発生させる方法として,順序統計量の混合分布としての解釈によって,新しい手法を考案した.この新しい方法の実用上の可能性を探るため数値実験を行った. 数値実験の主な内容は以下のようなものである.いくつかの典型的な接合関数を選んで,それらの分布に従う乱数を使ってサンプルを生成する.それらのサンプルからノンパラメトリック接合関数を構成し,パラメトリックブートストラップ法により,元の接合関数のパラメータを区間推定する.これらの一連の実験を擬似乱数と準乱数の場合で比較する. この比較では,準乱数のほうがより偏りが少ない推定を与えることが見出された.また区間推定の幅の収束は準乱数のほうが乱数より一桁程度早かった.新しい手法は,計算量の点で従来の方法より有利であり,高速なサンプルの生成が可能である.準乱数を使うことにより,さらに高性能なアルゴリズムとなることが示された.これらの内容について,学会で発表をした. 関連する応用問題として,通常のモンテカルロ法の応用をしたマルコフ連鎖モンテカルロ法により,議席配分問題の公平性を測る手法を開発した.これは,議席配分問題における最小議席数の制約が,公平性の尺度である比例性やジニ係数にどのような影響を与えるかを数値的実験により推定するものである.複雑な高次元の分布に従うサンプルを生成し,当該指標の統計的計算を行う必要があり本研究と密接な関係のある問題である,この内容に関連した学会発表を行った.
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