2018 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会を迎える地域の保健医療福祉サービスの生産性向上に関する研究
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18K04605
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 淳一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40314083)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生産性向上 / 社会システム / システム分析 / 情報収集 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年が直前に迫ってきている。保健医療福祉サービス需要の量的拡大に対応するとともに、多くの住民が高齢者になっても健康で自立した生活を長く営める社会システムの実現が求められている。一方で、生産者人口の減少局面を迎えた日本においては、サービス分野の生産性向上が重要な課題となっており、様々な保健・医療・福祉(介護)サービスが対象者やその内容によって細分化されて実施されている保健医療福祉の分野においては、サービス提供の生産性向上の早急な対応が必要である。 本年度(2018年度)は、保健医療福祉サービスの生産性を向上するためのモニタリング方法に着目して研究を行った。とくに、保健分野のがん検診受診率向上を目的とした関係者の活動を適宜モニタリングした地域・職域連携推進事業(2016年から実施)の結果を分析・考察した。 具体的には、保健分野の関係者が集まる地域・職域連携推進事業において、がん検診受診率向上という同じ目標を持って活動を行うことにより、その成果(受診率向上)を狙う取り組みの生産性を向上するための方法について考察した。本事業では、市町および職域の関係者が、がん検診の受診動向を予測し実績と比較することにより、活動内容の有効性を意識しながら活動することを促進させる。年度当初に、がん検診を実施する各市町が当該年度の目標受診者数を月ごとのグラフに記載する。そして、毎月のがん検診受診者の実績数を同じグラフに記入するとともに、その月に実施した活動を振り記録した。また、それらの情報を職域関係者と会議で共有した。 これら活動の分析結果より、目標値(この場合、受診率)と受診率向上施策等が必ずしもマッチしていない現状が明らかになった。また、記録した情報は本来、業務上定期的に確認できるものであるが、それらを意識した活動の実施が困難であることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学の管理業務が多忙となったため、当初予定していたモニタリング指標を「がん検診受診率」を除いて、複数の指標を分析することができなかった。また、生産性向上を確認するためには、アウトプットだけでなく、インプットを分析する必要があるが、その情報を収集することが本年度はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2019年度)は、当初の研究計画である「関係機関の業務および資源(強み)の見える化」を計画通り進めながらも、今年度(2018年度)、実施することができなかった各関係機関の「インプット」および「アウトプット」情報についても収集・分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)大学本務の管理業務多忙のため、予定していた国内関係機関を対する調査を実施することができなかった。また、調査データ収集ならびに分析が遅れたため、その分析およびシステム開発に必要とする設備やソフトウェアの購入を見送ったことにより、次年度使用額に変更が生じた。 (使用計画)次年度(2019年度)は、本年度(2018年度)に実施できなかった分析およびシステム開発に必要な機器およびソフトウェアを購入し、研究環境を整える。
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