2019 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会を迎える地域の保健医療福祉サービスの生産性向上に関する研究
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18K04605
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
横山 淳一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40314083)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 特定健診 / 健康情報 / データ収集 / アクティビティ分析 / 因果ループ図 / システム思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
保健医療福祉サービスの生産性向上を実現する連携方法を明らかにするために、本年度(2019年度)は、地域・職域連携推進事業における健康課題に関するデータ分析に着目し、とくに各医療圏の地域・職域連携推進事業担当者が入手するデータについて研究を行った。 特定健診など職域保健の健康情報は、現在、保険者ごとに収集・分析されており、各医療圏や地域ごとに健康情報を分析し、健康課題を特定・抽出することが困難である。そのような状況の中、国では各保険者から特定健診結果に関するデータを収集し、それらを集計・分析あるいは匿名化(高度な分析に対応する場合は連結可能匿名化)した上で情報提供を行っている。しかしながら、それらの集計結果などが提供されるまでタイムラグが生じていたり、データの匿名性や安全性を確保するために集計結果として提供されており、地理分析や職種分析など詳細な分析が困難になっている。A県では、独自に各種保険者にデータ提供の協力を得るとともに、その集計・分析結果を各医療圏の地域・連携推進事業担当者にフィードバックしている。職域保健の保険者視点でこれらの業務を捉えると、各保険者は現在、各所からのより大きな範囲での健康課題を分析するための情報提供に応じるために負担を強いられており、本来業務の生産性を損ねている状況にあると考えられる。 本研究では、それらの生産性向上の阻害となっている要因を把握するために、特定健診等の健康情報収集に係る業務ならびにA県が特定健診情報を収集する流れをアクティビティ図で分析した。その結果、職域保健に関するデータ収集における課題として、(1)職域保健では、統一管理のためのDBの構築が困難、(2)職域の各種保険者の保健事業に対する認識の差、(3)データ提供による恩恵が還元される仕組みがない、の3つを指摘し、これらの課題について因果ループ図を用いて問題構造の整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究を通じて、地域・職域連携推進事業と協働して研究を進めることができており、関係者の支援、協力体制がいっそう整ったものになった。また、いくつかのモデルケースとして、3,4の医療圏に関与することができ、情報を収集しやすくなっている。また、県からの協力も得られており、引き続き、研究を進めていくことがスムーズになってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2020年度)は、データ分析の効率化、生産性向上方策に着目し、「生産性向上」の評価尺度、効果測定法ならびにPDCAサイクル・システムの構築について提案する。 具体的には、担当者が2~3年で交代する地域・職域連携推進事業担当者(保健所職員)に着目し、地域・職域連携推進事業の継続的な推進のため、担当者のデータ収集・分析スキルの向上方策、ならびに情報システム環境に着目し、事業担当者に対する都道府県からの効果的な支援方法の検討を行う。本研究の視点として、事業担当者の生産性向上はもちろんのこと、都道府県などの事業担当者を支援する側も独りよがりな支援方法ではなく、事業担当者の真に必要な、生産的な支援方法を考える。具体的なプロトタイプシステムを構築し、評価する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の研究で、データ分析システム(研修システム)を複数回、実施する計画であったが、1回の実施のみとなったため、研修用パソコンなどの購入を見送ったため、使用計画が異なるものとなった。次年度は、研修システムおよびデータ分析構築の環境を早急に整えて、研究を進めていきたい。
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Research Products
(4 results)