2020 Fiscal Year Research-status Report
Efficient algorithms for the block relocation and premarshalling problems based on a realistic model
| Project/Area Number |
18K04607
|
|---|
| Research Institution | Kyoto University |
|---|
Principal Investigator |
田中 俊二 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90324657)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | ブロック積み替え問題 / ブロック整列問題 / 最適化 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
ブロック積み替え問題とは，積み上げられたブロック（コンテナ）を決められた順序で取り出す際に必要となる，ブロックの積み替えの手間を最小化する問題である．また，ブロック整列問題は，積み替えなしに取り出せる配置へブロックを整列し直す際に必要となる積み替えの手間を最小化する問題である．本研究課題の主たる目的は，ブロックを水平移動させる際には，衝突が起こらないだけの高さまでしかブロックを持ち上げない，としたクレーン動作モデルのもとで，ブロック積み替え問題・整列問題を考え，その解法を検討することである．令和２年度は以下の研究を行った．
（１）ブロック積み替え問題に関する研究．ブロックを水平移動させる際，つねに最も高い位置までブロックを持ち上げるとしたクレーン動作モデルとの比較を行った．そのために，分枝限定法による厳密解法のさらなる改善を行った．そして，計算機実験により，十分な高さまでしか持ち上げないモデルの方が，処理時間を大幅に短縮できることが示された．本成果について，国際会議で発表を行った．
（２）ブロック（コンテナ）整列問題に関する研究．ブロック積み替え問題に対する解法と同様，2種類のクレーン動作を考慮した分枝限定法を構成した．つねに最も高い位置までブロックを持ち上げる場合については，2020年に提案された解法の改善を行った．具体的には，ビームサーチによる初期上界値計算の導入，メモリに基づく優越関係の適用，および下界値の改善を行った．また，十分な高さまでしかブロックを持ち上げないモデルについては，新たに解法を構成した．本成果について，国内会議で発表予定である．
（３）ブロック積み替え問題において基本となる，積み替え回数を最小化する問題に対し，既存の解法よりも高速な厳密解法を構成した．本成果に関する論文は，英文論文誌に掲載予定である．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ブロック積み替え問題については，十分な高さまでしかブロックを持ち上げないモデルにおいて，また，ブロック整列問題については，いずれのモデルにおいても，分枝限定法における下界値計算部分に改善の余地があると考えられる．さらに，クレーンの加減速については未対応である．
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和３年度は，下界値計算の改善を重点的に進めていく．とくに，ブロック整列問題について，複数回積み替えが必要なブロックに着目して下界値を改善する方法を検討する．さらに，クレーンの加減速を考慮できるようにアルゴリズムの拡張を試みる．そして，数値実験によりその有効性を確認する．
|
| Causes of Carryover |
コロナウィルス蔓延の影響で，国際会議がオンライン開催となり，想定していた海外渡航費が不要となった．また，研究協力者とのディスカッションのために海外渡航予定だったが，これもキャンセルとなった．今年度も渡航は困難と考えられるため，数値実験のための計算機と論文投稿料に使用する予定である．
|
