2021 Fiscal Year Research-status Report
非線形確率システムにおける状態変化・構造変化の検出及びそのリスク管理
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18K04626
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
譚 康融 久留米大学, 経済学部, 教授 (70368968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 剛 久留米大学, 文学部, 教授 (00102096) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Change Point / Structural Change / Anomaly detection |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は非線形確率システムにおけるシステムの状態変化、構造変化を転換点の出現として捉え、それらの転換点の検出の数理的手法、モデリング方法、シミュレーション法などを開発し、ならびにそれらの変化に応じたリスクの評価を行い、リスク管理の対策を効果的にとることを目的としている。
これまでの研究で、先行研究を含めた数理統計学、人工知能などに関わる分野の理論と応用の整備・拡張を行い、研究手法の拡張及び精緻化を目指してきた。本研究で開発した手法は、確率微分方程式(SDE)におけるジャンプ(Jump)・構造変化(Structure change)の検出や、ネットワークのトラフィックにおける急激な変化を呈した時の転換点検出や、感染症例数の急激な変化を呈したturning pointの検出など、幅広い分野で効率よくイベントの発生を検出することとその対策をとることに関する研究を行ってきた。今年度においては、金融市場におけるJumpのモデリングなどにより、ポートフォリオの構成に適用したことや、またVARモデルを用いたネットワーク解析や、さらにOne-Class SVMに基づいた異常値(関数値、ネットワークトラフィック、確率変数等)の検出や、Markov Switching Analysisを用いた感染症の拡大による金融市場における変動の検出等々の研究が行われた。シミュレーション実験、および実証分析を通じて、開発した解析手法の有効性が確認できた。
また九州大学、名古屋大学などの国内専門家、および米国Columbia Universityの専門家による研究講演会・意見交流会を開き、意見交換および研究の最新動向などについて切磋琢磨に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染力の強い変異株による感染症の世界的流行は国際会議や、研究会などの出席を始め、学会、研究会での成果発表に影響を与えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はZOOMによる研究講演会などを開き、研究内容、モデルの精緻化などについて、国内外の専門家と検討して、有益な意見交換が行われた。感染症の影響で、今後は計画した研究期間を1年間延長して、引き続き、ZOOM等による研究会を開き、国内外の専門家との意見交換を行い、より精緻化された数理モデルの開発や、幅広い分野での適用できるアプリケーションの開発を目指し、より多くの成果を国内外に公表し、積極的に日本の研究成果を世界に発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
感染症の世界中の大流行のため、当初計画していた国際シンポジュウムが開催されることができなくなり、それが次年度使用額が生じた主な原因である。そのため、国際シンポジュウムの開催の代わりに、2021、2022年度は、インターネットをベースにしたICT技術を駆使し、ZOOM等を利用した国際研究会を開催し、世界トップな専門家らと交流して、より精錬化・精緻化された数理モデル・解析手法の開発、ならびに広範囲での適用性の検証を行い、汎用性、正確性をより高めていくと計画している。
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Research Products
(9 results)