2021 Fiscal Year Research-status Report
工学的スケールでの粉塵爆発現象の数値シミュレーション
Project/Area Number |
18K04633
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
武藤 昌也 名城大学, 理工学部, 准教授 (30466445)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 粉塵爆発 / 微粉炭 / 燃焼流の数値シミュレーション / Large Eddy Simulation |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度から三年目までに構築した直方体形状の三次元簡易計算領域における粉塵爆発の数値シミュレーション手法を用いて、実際の石炭の性情を組み込み、主に解析領域を拡大した炭塵爆発数値シミュレーションを実施した。手法の具体的な内容としては、これまでと同様に、流れ場の非定常性を再現するlarge-eddysimulation(LES)、爆発に伴うガス膨張を考慮する手法,粉塵を質点近似によりLagrange的に追跡する手法、ガス相の化学反応を低計算負荷で行うためのFlamelet/progress-variable(FPV)法、火炎面を正確に補足するためのG方程式法を採用した。さらに一部では計算負荷を下げつつも燃焼反応現象をより正確にとらえることを目的として二段総括反応モデルを化学反応モデルとして採用した。なお、空間に浮遊分散する粉塵に石炭の化学種組成(豪州産ニューランズ炭の性情を参照)を適用し、微粉炭燃焼の特有の揮発分燃焼と固体燃焼の両燃焼現象を再現するようにした点については初年度から同様の手法を継続して用いている。 本年度は計算領域を拡大して解析を試みたところ、数値シミュレーション自体は問題なく進行することが分かった。しかしながら、本課題の目的としている工学的スケールでの粉塵爆発解析においては、実現象を再現するための初期乱流場の設定が重要であるが、乱流場の性質を計算上で十分に生成できていないことが分かった。そのため、次年度は初期乱流場の生成にかかる課題を解決し、当初の目的を達成する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度から三年目に構築した数値シミュレーションコードおよび解析手法により、工学的スケールに拡大した計算対象での解析の試行を継続している。しかしながら、解析規模の拡大により実現象の初期乱流場の再現に課題が発生しており、現時点で妥当と考えられる結果を得るに至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在の進捗状況がやや遅れていると判断した理由は主に数値シミュレーションの初期設定における不備であるが、課題は明確化されている。2021年度に生じた計算にかかる時間的な問題については概ね原因が明らかである。そのため、2022年度も継続して実施することにより、当初の計画に沿った成果を得られると考えている。
|
Causes of Carryover |
社会的な感染病の蔓延により、当初の計画に対して外部打合せの機会が減ったため。次年度使用額は社会状況を十分に考慮した上で、外部打合せにかかる費用に充当する予定である。
|