2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a simple identification system for floating dust containing acicular material
Project/Area Number |
18K04635
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
進士 正人 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (40335766)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 久資 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (30633614)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 施工環境測定 / 浮遊粉じん測定 / 安全工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,コロナ禍の影響を受け,現場での針状物質の検出を実施することが困難であったため,2か所のトンネル建設現場での多点粉じん濃度実験を実施した.さらに,厚生労働省による粉じん障害防止規則並びに労働安全衛生規則の一部改正が令和3年4月1日に施行され,新しい粉じん濃度測定位置と測定方法が提案されたため,1例目では,従来の換気方法に準拠して坑外に主換気ファンを設置し送気風管を用いてトンネル切羽に向けて送気を行う拡散希釈方式を採用している建設現場で,針状物質を含む可能性を有する発破粉じんや吹付粉じんを多点で計測した.計測に合わせて,3次元流体解析を用いて粉じんの発生状況を数値シミュレーションしたところ計測値と解析値がよく一致した.すなわち,トンネル坑内のような閉塞環境は3次元流体解析で事前予測が可能であることがわかった.この結果を受けて,2例目では,吸引捕集式を追加採用されているトンネルで簡易粉じん測定器を用いて粉じん濃度測定実験を実施した.簡易粉じん測定器とは,昨年度の研究により適用を検討した市販の安価な空気清浄機での粉じん濃度センサーとして開発されたパーツを改良しトンネル坑内用粉じん測定器として改良・使用できるように工夫したものである.その結果,簡易粉じん測定器それぞれの個体差は認められず,そのばらつきは十分適用範囲であることが明らかとなった. しかし,昨年度と同様に測定孔周りの粉じんの付着汚れは確実に付着し粉じん計測に影響を与えることもわかった.これらの結果から,現場適用に当たっては,一定のレンタル期間を設定し簡易粉じん測定器を回収し,清掃,感度調整を行うビジネスモデルが有効であることがわかってきた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現場実験により,簡易粉じん測定器は付着汚れによる精度低下はあるものの,付着汚れを定期的にメンテナンスすることで実用可能であることがわかったので,粉じん測定ユニットを改良することによる反射光量を測定する方法は確立できた.しかし,フォトダイオードトランジスター自身を画像カメラに置き換える検討を進めることはできなかった.そのため,来年度まで研究を延長し,労働安全衛生研究所の研究グループとも共同して,トンネルの建設現場で,フォトダイオードトランジスターを画像カメラに置き換えた測定ユニットを使用する現場実験に取り組む.
|
Strategy for Future Research Activity |
トンネル建設現場における多点粉じん計測を簡易粉じんセンサーを使って実施する.あわせて,簡易粉じん測定器内の粉じん測定ユニットを試作し,カメラセンサーおよびIRセンサーを組み込む.それにより,粉じん光源波長の違いによる散乱波形の違いや,散乱強度の違いを調べる.その結果を基に粉じん形状の違いによる散乱強度変化の可能性について検討を進める.
|
Causes of Carryover |
今年度は,海外出張および国内出張を伴う研究打合せや現場実験ができなかった.次年度は予算を繰り越して共同研究者との打合せ並びに労働安全衛生研究所での現場実験を実施する予定である.
|