2019 Fiscal Year Research-status Report
A basic study on the effect of mental workload and personality on alertness under semi-automated driving
Project/Area Number |
18K04638
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石橋 基範 日本大学, 生産工学部, 教授 (50739034)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 自動運転 / 覚醒水準 / パーソナリティ / 反応時間 / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
準自動運転下で覚醒水準が低下したときの視覚認知機能を、高速道路運転模擬タスクで調べた。前年度の研究結果を受けて、パーソナリティとして「行動コントロールの主体を自分自身に求めるか、自分の外に求めるか」というLocus of Control(LoC)に着目した。また、視覚認知機能の生理的な指標として脳波事象関連電位(ERP)のP300成分に着目した。まず、将来的にドライビング・シミュレータでERPを計測できるよう、画面の輝度変化を検知して脳波加算平均用トリガを送出するシステムを実験装置上に組み入れた。そして、まずはPCによる高速道路運転模擬タスクでLoCが反応時間やP300に及ぼす影響を検討した(N=14)。タスクでは片側3車線の高速道路場面をCGで作成し、有効視野内に円形(低頻度:30%)と四角形(高頻度:70%)の視覚刺激(持続時間:0.8s)を3sのonset間隔でランダムな順に提示した。そして、円形刺激にのみボタン押し反応を要求した。また、教示では、「今回の実験はレベル2の自動運転を模擬した課題である。運転の主体はドライバにあり、周辺環境とシステムをモニタリングし続けることが求められる」と明確に伝えた。実験の結果、眠気の増加に伴い、内的統制者は反応時間やその遅れ量といったパフォーマンスを維持するが、脳波P300からは注意や認知情報処理の機能が低下していた可能性が伺えた。また、外的統制者はパフォーマンスが低下し認知情報処理に要する時間は遅延するが、投入する注意資源を増加させていた可能性が得られた。このように、パーソナリティの違いから自動運転の在り方やその安全教育等に関する知見が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、元々、向性に着目して負荷と向性の相互影響を検討する計画であった。しかし、平成30年度の研究で、準自動運転においては Locus of Control(LoC)の影響が大きいことが分かり、着目すべきパーソナリティをLoCに変更して検討を進めた。また、現実場面で覚醒水準の低下が問題になる低負荷に絞って検討を進めた。このように結果への影響要因をある程度吟味して進めたことにより、ドライビング・シミュレータでのERPを用いた検討(令和2年度)に向けて、LoCが反応時間(遅れ)やP300に及ぼす影響を示唆する結果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、エラー特徴の生理的バックグランドを明らかにするために脳波事象関連電位(ERP)を用いた実験をドライビング・シミュレータ(DS)上で行う。パーソナリティはLoCに着目する。信号検知能力が仮に知覚レベルでの信号処理の低下と関係するのなら外因性ERPが、認知レベルでの処理能力の低下と関係するのなら内因性ERP(今回結果が得られたP300等)が関係すると考えられる。ERPの導入によって、反応の遅れ・ばらつき、誤反応が知覚・認知のどのレベルと関係するのかを明らかにし、LoCと関係づけて検討する。
|
Causes of Carryover |
令和元年度は、元々の年度予算額(500,000円)に対して575,525円の執行であり、ほぼ計画通りである。この残額は、平成30年度にドライビング・シミュレータ(DS)機能強化に物品費を充てる計画であったが、機能実装方法の見直し等によってその費用を節約することができたことによる。この残額を使って、視覚刺激提示時(ERP計測対象)の視線を計測する機能等の実装を計画し、準自動運転下での視覚認知情報処理を多面的に検討できるようにしたい。
|
Research Products
(1 results)