2019 Fiscal Year Research-status Report
災害時情報収集のための合成開口レーダによる移動体検出の研究
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18K04672
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
近木 祐一郎 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10398109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 淳 福岡工業大学, 付置研究所, 研究員 (00023325)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 合成開口レーダ / 移動体検出 / スプリットビームアンテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
合成開口レーダを移動体検出可能なレーダへと改修するべく、以下のハードウェアの設計・開発・製作を行った。 1.アンテナのシミュレーション設計・製作と評価 アンテナで2方向からの反射波を個別に受信するため、現在のオフセットパラボラアンテナの改修を行った。具体的にはパラボラアンテナの1次放射器が既存のアンテナでは1つのホーンアンテナを用いていたものを、2つのホーンアンテナに換装した。2つのホーンアンテナを異なる方向に向けることで、2方向の遠方からの反射波を受信できるようになる。開発には電磁界シミュレータを利用し、2つの放射パターンのオーバーラップを最適化し、水平方向に5度程度の範囲内でスプリットビームを生成できるように設計した。また、放射器の開口形状の変更により、パラボラ反射鏡表面での電力分布の最適化を行うことで30dB近くサイドローブレベルを減少できる設計とした。設計した1次放射器を本学の工作センターにて製作し、既存のオフセットパラボラアンテナの1次放射器を置き換えた。換装したオフセットパラボラアンテナを電波案室内で放射パターンの評価を行ったところ、シミュレーション結果と同様のスプリットビームの放射パターン特性、サイドローブレベルを確認することができた。 2.スイッチングシステムの設計 既存の1チャンネルの受信システムでは1つのSAR画像しか取得できない。アンテナのスプリット化に伴い異なる方位角方向から受信されるそれぞれの反射波を用いて個別の画像を既存の受信系を用いて生成できるように、2方向からの反射波を時間を隔てて交互に受信できるようにスイッチングシステムを設計した。スイッチングシステムはレーダの運転と同期するリアルタイム性が必要であるが、FPGAなど複雑なソフトウェアを用いたものではなく、通常のロジック回路を用いて校正することができることをシミュレータにより確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度記載の進捗状況でも報告したが、申請書の研究計画に記載した計画を研究を共同的に進めている学生の成長を高めることができるように若干変更した。1年目は移動体が合成開口レーダ画像に与える影響の実験的検証と移動体プラットフォームの製作を行ったが、これは研究計画2年目の内容を一部1年目に実施したかたちになる。一方、2年目は計画1年目に行う予定であったアンテナ開発とスイッチングシステム開発といったハードウェア改修を進めた。アンテナの開発に関しては、上記概要にでも述べたとおり実験に最適なアンテナを製作することができたが、スイッチングシステムに関してはシミュレーション設計を終えた段階であり、製作と評価までは至っていない。これは、アンテナ設計のシミュレーション期間と製作期間がそれぞれ想定より時間がかかってしまったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はスイッチングシステムの製作と合成開口レーダへの組み込みを行い、実験室内での動作検証を早期に行う。上記確認後に、トラックに搭載する地上試験を行い、移動体検出の検証実験を行いたいが、より屋外での実験研究を推進するべく牽引車両(軽トレーラ)を購入し、レーダ実験をより手軽に行えるようにしたい。
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Causes of Carryover |
以下の3点の理由により金額に差異が生じている。 1.1年目に製作した移動体プラットフォームの制作費が外注すると非常に工学になることが分かり、そのため学生が努力し製作できたことにより予算がかからなかったこと。 2.昨年度勧めたスプリットビームアンテナの製作は当初外注を予定していたが、本学の工作センターの担当者の努力により材料費だけで製作できたこと。 3.ハードウェア開発の若干の遅れにより屋外での検証実験ができなかったため、実験局の検査取得費が支出できなかったこと。 次年度使用額記載の予算を用いて、上記3の実験局検査費の支出、実験のための牽引車両の購入など行いたい。
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