2019 Fiscal Year Research-status Report
Investigating Combined Effect of Radiation and Firebrands on Fire Spreads
Project/Area Number |
18K04675
|
Research Institution | National Research Institute of Fire and Disaster |
Principal Investigator |
鈴木 佐夜香 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, その他 (50714135)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 市街地火災 / 林野火災 / 火の粉 / 輻射 / 着火 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本を含め世界各地で起こっている大規模屋外火災の火炎拡大要因には接炎・輻射熱・火の粉の3種類が挙げられるがその中でも火の粉による着火の影響に関しては近年火の粉発生装置が開発されて研究が進んだ分野である。その中で2016年度末の糸魚川市大規模火災では100 m程度先で火の粉による建物着火がおこり、火の粉のみではなく輻射熱も合わせた影響を考慮する必要があることが示された。そこで本研究では火の粉の着火性に及ぼす火の粉と輻射熱の影響を解明することを目的として実験的研究を行う。3年間の計画では①火の粉と輻射熱での個別の着火性の確認をした上で、②火の粉・輻射熱の影響を考慮するため風洞に輻射熱板を組み合わせて輻射熱の影響を検討し、相互の影響を適切に評価することで今後の飛び火対策に適切に活かす。 令和元年度は火の粉と輻射熱の複合的な影響を考慮した実験を実施した。火の粉発生装置と輻射熱板を組み合わせた実験装置を作成し、風速(風速6m/sと8m/s)と余熱時間(余熱なし、10分、20分)を変化させた実験を行った。余熱時間を増やすことによって、着火までにかかる時間が短くなることが分かった。風速を6m/sから8m/sになるにつれて輻射熱による着火への影響が小さくなる傾向がみられた。風速をあげることで、対流による熱損失が大きくなり、実際に資材に到達する熱量が減少することに加えて、火の粉そのものの温度が上昇することにより、着火にかかる時間が短くなるためだと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は実験資材の変更により必要になったデータのとり直しに加え、予定していた実験を終了することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験計画段階では湿度を系統的に変化させることしていたが、建築資材そのものに通常湿度の変化はあまり見られないことがわかったため、平衡含水率との比較とする。その分火の粉の種類を変化させてデータを取ることとする。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、前年度に購入した木材で実験を継続することが可能だったため、実験用の木材を追加購入する必要がなかったためである。昨年度からの繰り越し分に関しては今年度発表予定の論文のオープンアクセス費に使用予定である。
|
Research Products
(2 results)