2019 Fiscal Year Research-status Report
Identification of factors that determine the ionization potential and building a database toward development of novel photocatalyst materials
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18K04692
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
日沼 洋陽 千葉大学, 先進科学センター, 特任助教 (80648238)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イオン化ポテンシャル / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
三価カチオンを含む二元系酸化物について、第一原理計算のnsc-dd法を用いてイオン化ポテンシャル(IP)および電子親和力を求めた[Hinuma et al., Phys Rev. Mater. 3, 084605 (2019)]。昨年度計算した二価カチオンの系と同様[Hinuma et al., Phys Rev. Mater. 2, 124604 (2018)]、原子の大きさ(原子あたり体積の三乗根)の逆数とIPの間にほぼ線形の相関が得られることが判明した。二価と三価カチオンの酸化物のトレンドはほぼ重なるため、少なくてもd0およびd10化合物にとって、この関係性は普遍性があると推測される。昨年度の研究では、表面のとり方によってIPに2eV程度の幅があることも判明したため、水分解光触媒をスクリーニングするためには目標のIPの表面を積極的に狙う必要がある。同一化合物の複数の終端数を探索する上では、再構成などにより実験で合成できないと思われる終端を弾く必要がある。このため、2つの面指数のファセットに再構成する場合、その面指数候補を抽出する手法を開発した[Hinuma et al., Mater. Trans. Accepted MT-MN2019004]。あわせて、今年度にペロブスカイトやスピネル構造の無極性表面を自動的に作成するアルゴリズムを開発し[Hinuma et al., Mater. Trans. 61, 78 (2020)]、より多くの表面のIP計算が容易に行えるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の「問い」である「IPを決める要素は何か?」に対し、「原子あたり体積」という一つの答えを得た。同一のトレンドが、二価と三価の二元系d0およびd10酸化物で見られたため、ある程度の普遍性があると考えられる。また、「原子あたり体積」の情報だけを用いた場合、IPの推計値に最大2eV程度の幅が生じることも判明し、狙ったIPを得るためには終端の精査が必要であることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
目標となるIPが5.67eV強の材料をスクリーニングするためには、原子あたり体積が重要であり、同じトレンドが複数の価数のd0、d10酸化物で見られることから、目標IPから大きく外れる酸化物を外す目処がたった。次に、同じ酸化物でもIPに2eV程度の幅が発生することもあるので、狙ったIPの値をとり、なおかつ実験的に合成可能である(大幅な再構成を起こさない)表面を探す工夫が求められる。 このため、多くの面指数の表面が容易に取れる、対称性が低い酸化物を例に取り、同一化合物における多くの面指数・終端の表面エネルギーを求める。あわせて、実験的に合成可能でない、つまり検討する必要がない終端を取り除くアルゴリズムを開発する。例えば、ファセットに再構成する終端は合成可能と思えない。今年度の研究実績としてファセット再構成の面指数候補を抽出する手法の開発があるが[Hinuma et al., Mater. Trans. Accepted MT-MN2019004]、このようなチェック機構をアルゴリズムに組み込む。また、USPEXコード等の遺伝的アルゴリズムを用いた終端探索も検討することにより、実験と効率的に連携できる表面を提案できるようにする。
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