2020 Fiscal Year Research-status Report
Identification of factors that determine the ionization potential and building a database toward development of novel photocatalyst materials
Project/Area Number |
18K04692
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
日沼 洋陽 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 研究員 (80648238)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | イオン化ポテンシャル / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに得た複数の手法[Hinuma et al. Mater. Trans 61, 1430; Hinuma et al. Phys. Rev. Mater. 2, 124603; Hinuma et al. Comp. Mater. Sci, 113, 221]を用い、β-Ga2O3とθ-Al2O3の実験的に得ることができる(accessible)な表面を得た[Hinuma et al. J. Phys. Chem, C 124, 10509]。accessible表面におけるイオン化ポテンシャルと表面エネルギーとの相関は見つからなかったものの、実現可能性が低い表面を弾けるようになったことは、実現可能性の高い表面を計算で予測する点では大きな進歩である。 実際の光触媒においては、H+やOH-イオンなどが多く含まれる水溶液中等で用いられることが多い。このため、分子吸着により、表面の安定性やイオン化ポテンシャルなどの特性が大きく変わることも十分予想される。今年度は原子吸着候補サイトを自動的に予測するアルゴリズムを開発・実装した。[Hinuma et al. J. Phys. Chem. C 124, 27621]吸着原子は、吸着先の表面の原子から、おおよそ、ある一定の距離に位置する。これを、電荷密度がある一定の値になる場所と読み替え、その場所の表面からの距離が極大・極小・鞍点となる位置を吸着地点候補として、画像認識の問題として解決することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は本来の最終年度である。昨年度は、目標の「問い」である「IPを決める要素は何か?」に対し、「原子あたり体積」という一つの答えを得た。今年度は、最安定の清浄表面でなく、準安定だがaccessibleな表面や、表面に原子・分子吸着がある「汚い表面」の探索への道筋をつけることに成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
触媒分野でelectron scavengerの概念がある。例えば、In2O3等の酸化物担体上の金属ナノ粒子のフェルミ準位が、担体表面から酸素を脱着させた欠陥準位より下にある場合、担体の電荷がナノ粒子に流れ込み、酸素の脱着エネルギーが下がり(酸素が抜けやすくなり)、結果として担体が活性化する(酸素脱着が絡むMars-van Krevelin反応が起きやすくなる)。[Hinuma et al. J. Phys. Chem. C 124, 27621]この効果は酸化物に限られないため、多様な二元系イオン結晶のイオン化ポテンシャルを計算することにより、electron scavenger効果が起き、活性化しやすい物質のスクリーニングが可能となる。この場合、イオン化ポテンシャルが小さいほど有利となる。今年度は光触媒にこだわらず、多様な二元イオン結晶のイオン化ポテンシャルを計算する。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により国際学会に参加できなかったため、次年度使用額が発生した。論文の投稿費用(オープンソース化費用含む)および学会参加費に充てる。
|
Research Products
(7 results)