2020 Fiscal Year Annual Research Report
Microstructure control of water-contained nanoparticles for thermal storage
Project/Area Number |
18K04699
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高井 千加 (山下) 岐阜大学, 工学部, 助教 (30599056)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中空粒子 / シリカ / 水 / テンプレート / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子内に水を安定して保持させるために,シリカシェルの微構造設計に注力し,シェルの結晶化を試みた。検討すべきことは,中空構造を維持したまま,シェルのみを結晶化させる条件を見出すことである。 ポリアクリル酸,アンモニア水溶液,水酸化ナトリウム水溶液の混合液をアルコール中に滴下し,ナノサイズの凝集液滴を形成させ,これをテンプレートとした。テンプレート液にシリカ源としてテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくり滴下し,室温中,18時間攪拌し,コアシェル粒子を合成した。コアシェル粒子を乾燥後透過型電子顕微鏡で観察すると,シェル内部にテンプレートと思われる構造が確認された。コアシェル粒子に蒸留水を加えてテンプレートを除去後に顕微鏡観察すると,テンプレートと思われる構造は消失していた。コアシェル粒子を800℃,5℃/min,空気中で熱処理すると,粒子構造は消失し,クリストバライトに見られる針状生成物が確認された。一方,テンプレート除去後の粒子を同様に熱処理すると,中空構造が維持されていた。以上のことから,800℃熱処理により結晶化は起こるが急激な結晶成長により中空構造が崩壊することが分かった。そこで熱処理工程を見直し,成長抑制を試みた。シリカナノ粒子を結晶化させた先行文献を参考に250℃,500℃,800℃と段階的に昇温させたところ,針状生成物が抑制され,変形はしているが中空構造の一部が残った粒子ができることを確認した。さらにシェル構造の崩壊を抑制するため,TEOS量増加によりシェル厚を厚くしたところ,800℃熱処理後も中空構造を維持できていることが確認できた。
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Research Products
(3 results)