2018 Fiscal Year Research-status Report
超臨界二酸化炭素で構造改変した熱硬化性樹脂由来活性炭による高性能キャパシタ作成
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18K04709
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
齊藤 丈靖 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70274503)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 活性炭 / 賦活 / 熱硬化性樹脂 / 電気二重層キャパシタ |
Outline of Annual Research Achievements |
3種類の熱硬化性樹脂を前駆体にして、炭化・賦活条件を変えて活性炭を作製した。得られた活性炭の比表面積、細孔構造、表面化学構造を測定・解析し、水系および有機系電解液との親和性やキャパシタ性能との関係を考察することでEDLCの高容量化の実現を目指した。 N2中600℃で3時間炭化した粒径10umのフェノール樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂 をKOH賦活及びCO2賦活して活性炭を作製した。KOH賦活はN2中で700~900℃到達後30分間で行った。KOHと炭化物の質量比は4:1とした。賦活後、酸処理・水洗・乾燥を行い、活性炭試料を得た。CO2賦活はCO2中1000℃到達後30分間で行った。 活性炭の比表面積・細孔径分布を窒素吸脱着測定で、結晶性はX線回折、組成および結合状態はCHNS,O分析及びX線光電子分光(XPS)、表面官能基量はBoehm滴定法でそれぞれ評価した。活性炭とアセチレンブラック(導電補助剤)とPTFE(バインダー)を質量比8:1:1 (全質量0.1 g程度)で混練し、錠剤成型機で、200um厚、直径14 mmに成型し、115℃で24 h乾燥させた。電解液として6M KOH水溶液もしくは1M TEABF4/PC溶液を用いて、二極式セルを組み、定電流充放電試験を行った。 KOH水溶液中ではKOH賦活によって活性炭の比表面積、酸性官能基量を増大させることで高容量となった。また、HNO3処理を行うことでも酸性官能基量が増大し、疎水性の改善と疑似容量による容量増大が確認された。特に、酸性官能基量の多いフラン樹脂ではHNO3処理によって容量が大幅に増大した。TEMABF4/PC溶液中では活性炭にKOH賦活後、CO2賦活を加えてメソ孔容積を増大させることや酸性官能基量を減らすことで高容量化を果たした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多様な熱硬化性樹脂由来微粒子に対して様々な賦活処理を施し、細孔構造・表面物性と電気二重層キャパシタ特性との関係を考察できた。表面官能基の定量は若干遅れているが、次のステップである細孔内表面への異種官能基導入の準備はできたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に行った各種の熱硬化性樹脂由来炭化物粒子を用いた賦活による細孔構造・表面物性と電気二重層キャパシタ特性との関係は継続する。 今後、表面官能基の定量を迅速に進め、次のステップである細孔内表面への異種官能基導入実験に着手する。
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Causes of Carryover |
変更は特にありません
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