2021 Fiscal Year Research-status Report
極薄大面積自己発熱型CO2吸収シートの作製と最適化
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18K04733
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大石 克嘉 中央大学, 理工学部, 教授 (20276695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 亮太 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (30548136)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CO2吸収 / コンポジット / 自己発熱型 |
Outline of Annual Research Achievements |
Si粉末からSiセラミックスの作製を試みた。得られたSiセラミックスの密度をアルキメデス法で測定後,X線による相同定と電子顕微鏡による微構造の観察を行った。得られたSi焼結体の密度は理論密度の95%以上であり,X線回折実験から炭化ケイ素相も全く見られず単一相である事も確認された。また今回得られたSiセラミックスの電気抵抗率はこれまで使用していたSiウェファーとほぼ同等であり,そのSiセラミックスの表面上にCO2吸収能を持つLi4SiO4層の形成を試み,自己発熱型CO2吸収コンポジットを作製した。得られたコンポジットについて,他研究機関が所有の分析装置付き電子顕微鏡(HITACHI SU8220)でその形状や元素分析を行ったところ,Li4SiO4層は層厚数μmで均一の様に見え良好と考えられる。が,そのベースを成すSiセラミックスについて調べたところ,その破断面内に気孔が見られ,構造的に問題がある可能性が示唆された。このため,今回のLi4SiO4層が形成されたSiセラミックスの破断面について元素分析を行ったところ,表面に酸素元素が多く存在する事が確認されたが同時に,Siセラミックスの内部の元素分析結果からは,内部にも酸素元素が存在する事が示された。このSiセラミックス内部に存在する酸素は,Li4SiO4層を形成させる際に融解したLi2CO3がSiセラミックス内部に浸透した事が原因であり,またその浸透は作製したSiセラミックスの緻密化の度合いが低い事実に依存していると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度ほどではないですが,コロナ禍のため,実験の進行にかなりの遅れがあった点は否定できません。ただし,Si粉末から一般的なセラミックス法を使用して,密度95%以上のSiセラミックスの製造には成功した点,さらにそのSiセラミックスの表面上に,CO2吸収能を有するLi4SiO4層を形成出来たという点については,少しは研究が進んだと考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の目標は,Siセラミックスの緻密度を100%まで向上させて単結晶Siに近い特性を持つSiセラミックスを得る事,また,そのSiセラミックスの表面上に,CO2吸収能を有するLi4SiO4層を数種類の層厚で形成させて自己発熱型CO2吸収コンポジットを組み上げる事及び,得られた自己発熱型CO2吸収コンポジットのCO2吸収特性の測定と評価を行う事です。
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Causes of Carryover |
予算を執行する前に,執行期限が来てしまった事が原因です。 2022年度においては,早々に,薬品の購入として予算を執行致します。
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