2019 Fiscal Year Research-status Report
摩擦攪拌緻密化プロセスによるダイヤモンド分散Fe基合金の創製と界面構造の解明
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18K04742
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長岡 亨 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主任研究員 (90416347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水内 潔 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究フェロー (60416344)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パルス通電焼結 / 摩擦攪拌プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
Fe粉末と銅被覆ダイヤモンド粉末を混合して、パルス通電焼結を行った。銅被覆ダイヤモンド粒子の含有量は5 wt%, 10 wt%, 20 wt%, 30 wt%と変化させた。700℃の温度において保持時間を1時間とすることで焼結体を得ることができた。また、これらの焼結体は容易に破壊されることなく、その後の摩擦攪拌プロセスに供することができた。底面がフラットである回転ツールを用いて、回転数1000 rpm、ツール押し込み量0.8 mmで摩擦攪拌プロセスを施すことで、回転ツールによって焼結体を破壊することなく、緻密化できることが分かった。断面観察の結果、ダイヤモンドの形状は焼結前と比較して変化しないことを確認できた。パルス通電焼結後はFe内に酸素濃度の高い領域がネットワーク上に形成されたが、摩擦攪拌プロセスを施すことで、これらの領域は分散することが分かった。回転ツールの影響で攪拌され、分散したものと考えられた。EBSDによる結晶方位解析の結果から、Feマトリックスの結晶粒径は焼結後で7.8 μm、摩擦攪拌プロセス後で5.7 μmであり、結晶粒はわずかに微細化した。摩擦攪拌プロセス中に動的再結晶が生じることで微細化したものと考えられた。銅被覆ダイヤモンドは、焼結、摩擦攪拌プロセスを行っても銅で被覆された状態が維持されていた。ダイヤモンドとCuの界面には化合物相は観察されなかった。CuとFeの界面構造については、今後詳細に観察を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fe粉末銅被覆ダイヤモンド粉末を混合して、パルス通電焼結を行うことで、その後の摩擦攪拌プロセスを施すことが可能な焼結体を得ることができた。摩擦攪拌プロセスにより、酸素濃度の高い領域が分散することが分かった。また、Feマトリックスは微細化することが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
当所の計画通りに進める予定である。銅で被覆したダイヤモンド粉末を用いて焼結、摩擦攪拌プロセスをおこなったときの界面構造の詳細について観察を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定の備品の仕様決定が遅れており、次年度の購入となったため
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Research Products
(2 results)