2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of hardenability improvement mechanism based on borocarbides formation behavior in the grain boundary amorphous phase
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18K04752
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳永 辰也 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40457453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠良 秀則 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (00127987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 状態図 / 粒界偏析 / 粒界析出 |
Outline of Annual Research Achievements |
Fe-Mo-B三元系およびFe-Nb-B三元系を対象とし,示差走査熱量測定により液相が関与する相境界を明らかにするとともに,合金法を用いて900℃における相平衡を実験的に明らかにした.さらに,第一原理計算により,Fe-Mo-B三元系に現れる三元化合物FeMo2BおよびFe2MoB4の生成エネルギーを評価した.CALPHAD(Calculation of Phase Diagrams)法に基づき,得られた実験結果と計算結果および従来の実験結果を用いてFe-Mo-B三元系の熱力学的解析を行い,各相のギブスエネルギーを定式化した.Fe-Nb-B三元系については,従来の解析結果をベースに,本研究で得られた液相が関与する相境界の実験結果を用いて液相の熱力学パラメータを評価した.さらに,第一原理計算を用いてMo23B6およびFe20Mo3B6などの準安定化合物の生成エネルギーを評価した.Fe-Mo-B-C系について予備的に得られた熱力学パラメータを用いて鋼中粒界偏析量を評価し,CALPHAD法とDavies-Uhlmannの速度論的取扱いとのカップリングにより,粒界における析出挙動を表すTTT曲線を計算した.粒界析出挙動に及ぼすMo添加の効果については,Mo添加により(Fe,Mo)23(B,C)6の析出が抑制されること,またMo添加量が多くなるにつれて三元ホウ化物の析出が容易になることが予測されたが,これらの計算結果は定性的には実験結果と符合する傾向が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fe-Mo-B三元系およびFe-Nb-B三元系については,相平衡の熱力学的解析に必要な実験データおよび計算データを取得し,状態図を計算できる熱力学パラメータを得ることができた.熱力学データベースについては更なる高精度化が必要であるが,現時点でのデータベースを用いて鋼中の粒界析出挙動を計算科学的アプローチで評価した結果,従来の実験結果と定性的に符合する結果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
Fe-V-B三元系およびFe-Ti-B三元系の熱力学パラメータを新たに評価するとともに,熱力学データベースの高度化を図る予定である.また,第一原理計算の効率アップを図るために,計算機を増設する予定である.
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