2019 Fiscal Year Research-status Report
Al-rich α 相抑制による新奇高耐食性Mg-Al-X合金の探索
Project/Area Number |
18K04774
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
畠山 賢彦 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (30375109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 聡 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (00206575)
佐藤 紘一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (30378971)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | マグネシウム合金 / 腐食 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に作製したアルミ添加量を1~9wt%で変化させた試料の鋳造まま材および溶体化処理剤について電気化学試験を実施した。分極測定では、腐食電位、腐食電流密度、孔食電位等の腐食物性が高精度で定量的に得られ、Mg-Al二元系合金でみられる各相についての腐食挙動を議論するための基礎的な知見を得た。それに基づいて評価した結果、昨年度、Al濃度に対して単調に腐食物性が変化することを予測していたのに対して、腐食物性については、それに反し腐食電位や腐食電流密度のAl濃度依存性は小さくAl濃度に対して単調な相関を示さないことを報告したが、その原因については不動態皮膜の形態と化学組成に依存する可能性が示唆された。本研究では、高精度の分極試験を実施するため、pHを11程度に調整したNaCl水溶液環境での分極試験を実施しているが、その環境下では、安定な水酸化マグネシウム皮膜に合金元素が含まれた不動態皮膜が形成される。その皮膜中のAl濃度や厚さが皮膜下の金属の化学組成に依存するためこれらが腐食物性に影響していたと考えられる。 また、高耐食性Mg-Al-X合金の探索については、一つのβ相を不安定化させる元素の候補について第一原理計算結果と金属組織の良い相関(Al-Mg二元系合金と比較しβ相の体積率を抑制)を得たことから、次年度はその添加合金について濃度を系統的に変えた試料を作製し、これらの電気化学試験を進め、耐食性の高い合金組成を調べる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたMg-Al二元系合金についての腐食物性について調査し、アルミ濃度と耐食性の相関について調査した。また、Mg-Al-X合金について、β相の形成を抑制する添加元素を第一原理計算により候補を絞り、それらの添加によるβ相の抑制について実施予定の合金製造および耐食性試験を完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
第一原理計算で得られたβ相を不安定化させる元素の他、安定化させる元素の作製および組織観察と電気化学試験を進め、計算結果と実験結果が系統的な一致を得られるかや、一致しない場合の原因を調査することで、Mg-Al-X合金の耐食性向上の手法や機構について検討を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスにより春期の学会が開催されなかったことや実験の一部が翌年度に変更し消耗品の購入を繰り越したため。
|
Research Products
(3 results)