2019 Fiscal Year Research-status Report
時効析出を活用したマグネシウム合金板材の深絞り成形性向上
Project/Area Number |
18K04787
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黄 新ショウ 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (80415679)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 圧延 / 時効 / 成形性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、集合組織がランダム化されたAZ61マグネシウム合金高温圧延材を対象として、時効処理が温間深絞り成形性に与える影響を重点的に調査した。 始めに、AZ61合金高温圧延材に対し、350℃1時間焼鈍処理後に、175℃96時間、200℃24時間と250℃24時間の異なる条件で時効処理を行った。 X線回折測定によると、175℃96時間の時効材は一番高い析出β相(Mg17Al12相)ピークを示した。175℃時効材と200℃時効材のβ相は、結晶粒内と粒界の両方に析出したが、250℃時効材のβ相は主に結晶粒界に析出した。175℃96時間の時効材は微細β相粒子が多く析出したため、ビッカース微小硬さの上昇が最も大きく、また、室温引張試験の結果では、10MPa以上の強度の向上が確認された。 次に、上記焼鈍材(未時効材)と時効材に対し、100℃から225℃までの温度範囲内で温間深絞り試験を行った。100℃の成形温度では、未時効材の限界絞り比は室温成形の1.70から1.75に僅かに向上した。一方、時効材は絞り比1.9の成形に成功し、未時効材に比べて優れた深絞り成形性を示した。特に、175℃96時間の時効材は室温成形の限界絞り比が1.6未満であり、成形温度100℃において深絞り成形性の向上が一番大きかった。175℃の成形温度では、未時効材と時効材は同程度の2.3の限界絞り比を示した。225℃の成形温度では、未時効材の2.7の限界絞り比に対し、200℃24時間と250℃24時間の時効材は絞り比2.8の成形に成功した。 以上の結果より、時効材は成形温度によるが、未時効材よりも高い深絞り成形性を得ることが可能であると確認した。特に、強度に寄与するβ相析出粒子を多く含む175℃96時間の時効材は100℃の比較的に低い成形温度でも、深絞り成形性が著しく向上することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未時効材および異なるβ相析出形態を示す時効材に対して温間深絞り試験を行った結果、時効材は成形温度によるが、未時効材よりも高い深絞り成形性を得ることが可能であることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、異なる成形温度において成形された深絞りカップの組織変化およびそれがβ析出相との関係を重点的に調査する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は研磨用消耗品などの購入の費用を次年度に残したためである。次年度は研磨用消耗品、電子顕微鏡用消耗品などの購入、成形用試料ブランクの加工費などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)