2020 Fiscal Year Annual Research Report
Simultaneous removal and concentration of arsenic from waste water by bipolar membrane electrodialysis
Project/Area Number |
18K04795
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯塚 淳 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70451862)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒ素 / 排水処理 / 除去 / 高度濃縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、廃水中のヒ素の除去と高度濃縮を目的とし、バイポーラ膜電気透析技術のヒ素含有廃水処理への適用を検討した。バイポーラ膜は、文字通り2つの極を有する複合膜であり、陽イオン交換層と陰イオン交換層を張り合わせた構造を有する。ヒ素含有廃水の処理へバイポーラ膜電気透析法を適用することで効率的なpHの制御による高効率でのヒ素の除去と高度濃縮が可能であると期待される。 まず、As(V)を含有した水溶液を対象とし、バイポーラ膜電気透析法によるヒ素の除去と高度濃縮の実験を行った。処理水と濃縮水の体積比を変えた実験を行ったところ、濃縮水に対する処理水の体積比を高く設定した場合に、ヒ素は予想通り濃縮水側により高度に濃縮された。その場合においても、懸念された濃度差による逆拡散の影響は大きくなかった。また、As(V)の水溶液にナトリウムイオンが共存する条件についても基礎的な検討を行った。ナトリウムイオンが共存する場合についてもAs(V)の除去と高度濃縮が可能であることを実験的に確認することができた。以上の実験結果に対し、各条件におけるヒ素の物質移動解析を行った。また、電力消費量や電流効率についても解析手法の検討を行い、各条件下での算出を行った。更に、As(III)を含有した水溶液を対象としたバイポーラ膜電気透析実験を各種条件下で行い、As(III)を含有する廃水に対してもヒ素の除去および高度濃縮が可能であることを定量的に確認することができた。更に、バイポーラ膜と組み合わせる陰イオン交換膜の種類の影響についても検討を行った。また、排水基準に近いような低濃度のヒ素含有溶液を対象とした試験についても実施し、本手法で達成可能なヒ素濃度に関して定量的に把握することができた。
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