2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K04801
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
星山 康洋 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (10368201)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 凍結鋳型 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境低負荷型の鋳造法として凍結鋳型鋳造法がある。この鋳造法は、氷を使った環境に優しい鋳造法であるが、氷を利用するために生じるいくつかの課題がある。その課題を解決するため、凍結鋳型鋳造法を応用した新たな鋳造法の開発を目指す。すなわち、「凍結鋳型に消失模型を組み合わせたハイブリッド鋳型」を用いてさまざまな条件で鋳造を試み、凍結鋳型を応用した汎用性のある新たな環境低負荷型の鋳物製造技術を開発することを目的とする。2018年度は 、1)ハイブリッド鋳型への溶湯の充満挙動と2)消失模型に塗布する塗型の影響について評価することを目的とした。 ハイブリッド鋳型内に観察用のガラスを埋没させた鋳型を作製し、その鋳型に溶湯を注湯し鋳型への溶湯の充満挙動をハイスピードカメラにて直接観察し、充満挙動、熱分解ガスの排出を評価した。ハイブリッド鋳型における溶湯の充満挙動は、消失模型鋳造で溶湯が充満する挙動と一致していることが確認できた。また、ハイブリッド鋳型は通気しており、熱分解ガスの排出が確認できた。 消失模型には変形を防止し模型の表面強度を上げるために耐火性コーティング剤である塗型が通常塗布される。そこで、消失模型に塗型を施した鋳型と施していない鋳型をそれぞれ用いて鋳物を作製し、断面組織観察などで評価した。ハイブリッド鋳型において消失模型に塗布している塗型が砂欠陥の発生の有無に大きく影響していることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の実験に関しては、計画していた1)ハイブリッド鋳型への溶湯の充満挙動と2)消失模型に塗布する塗型の影響について評価を行うことができたので、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、複数鋳物の同時作製と複雑形状の鋳物作製を試みる。複数の鋳物が同時に得られる鋳型を検討後、ハイブリッド鋳型を作製して単純形状鋳物の複数個込めを行う。また、単純形状ではなく、より複雑な形状をした鋳物をハイブリッド鋳型で作製することを試みる。鋳物をシミュレーション解析、熱分析、X線CT検査、表面粗さ測定、外観観察、組織観察、硬さ試験などで評価する。
|
Causes of Carryover |
2018年度の実験がおおむね順調に進行したことにより繰越金が生じた。これは、消耗品の購入が当初見込みより少なかったことによる。2019年度の研究費の使用計画としては、物品費として研磨紙や切断砥石などの消耗品費や国際会議旅費を予定している。
|