2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of environmentally friendly solvent selection guide for CO2 spray coating
Project/Area Number |
18K04803
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 善之 東北工業大学, 工学部, 教授 (50243598)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | viscosity / polymer solution / gas expanded liquid |
Outline of Annual Research Achievements |
VOC(揮発性有機化合物)の環境への排出が深刻な問題である。我が国最大のVOC排出源である塗料業界は、塗料希釈剤として大量のVOCを使用しており、代替技術を模索してきた。新たな代替技術として、溶剤(希釈剤)の一部を高圧のCO2に置き換えるCO2塗装システムがVOC排出量を削減できるとして注目されている。本研究では、CO2塗装システムの実用化に向けて、塗布条件の選定に重要なポリマー/有機溶剤/CO2系の粘度の推算法の開発を試みた。 ポリマー/有機溶剤/CO2系粘度の測定結果を基に、ポリマー濃厚溶液系のCO2添加系では有力な推算法と考えていた自由体積理論(FVT)の適用性を検討したところ、本研究のようなポリマー稀薄系では適用性が低いことが明らかになった。このため新たにHansenの溶解度パラメーター(HSP)に着目した。ポリマーと有機溶媒+CO2系のHSP値の距離が近いほど、ポリマーと溶液(有機溶媒+CO2)の親和性が高く、粘度が高いことが推定される。Van Dykにより提案された溶解度パラメータと固有粘度の関係式を基礎として、CO2添加系の粘度推算に適用できるよう推算モデルを開発した。本モデルではPoly (Bisphenol A-co-Epichlorohydrin) (PBE)のポリマー溶液系を対象として、モデル中のパラメータを決定したが、他種ポリマーであるpolyacrylonitrile系に対しても良好に適用可能であることを確認した。CO2添加系の粘度の推算値と実験値の相対平均偏差は7.4%と良好であり、FVTによる67%より大幅に改善できることがわかった。
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