2018 Fiscal Year Research-status Report
糖類を原料としたカーボン膜の作製とガス分離への応用
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18K04807
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
磯部 敏宏 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (20518287)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 水熱処理 / 単糖類 / ガス透過率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,担体の細孔径が成膜に及ぼす影響、原料となる糖類の種類を検討した。担体の細孔径が成膜に及ぼす影響では、細孔径が、100nm以上では成膜が困難であった。このため、細孔径が約75nmの担体を作製し、原料となる糖類の種類を検討した。 単糖類、二糖類、三糖類、四糖類からそれぞれ複数の候補を選定し、実際にカーボン膜を作製した。その結果、多糖類では、成膜条件(糖類の濃度、加熱温度と時間)にかかわらず、ピンホールの生成が認められた。単糖類のグルコースを原料とすると、最適な成膜条件に設定することで、ピンホールの少ないカーボンの成膜に成功した。得られたカーボン膜のガス透過率(水素、ヘリウム、アルゴン、窒素、酸素、メタン、二酸化炭素、6フッ化硫黄)とガス選択率を測定したところ、カーボン膜の細孔サイズは約0.3nmでややブロードな細孔径分布と推測された。一方、ガス透過率がやや低く、ピンホールの生成を抑制しつつ、膜圧を薄くする必要があることが示唆された。 また、液体の透過率についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた検討項目をすべて検討し、いくつかの検討項目について最適な条件を見出したため。
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Strategy for Future Research Activity |
ガス透過率がやや低く、ピンホールの生成を抑制しつつ、膜圧を薄くする必要があることが示唆されたことから、今後、担体上に中間層を導入し、その上にカーボンを成膜する非対称化することを検討する。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通り予算を執行したが、参加した学会が東京開催だったため、旅費がやや次年度に繰り越された。当該助成金は、次年度の旅費として使用する予定である。
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