2020 Fiscal Year Annual Research Report
Developement of highly tough double-network ion gel by tuning its inorganic network and its application to the material of high performance CO2 separation membrane
Project/Area Number |
18K04812
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神尾 英治 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30382237)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 無機/有機ダブルネットワーク / 高強度イオンゲル / 無機ネットワーク / エネルギー散逸 / イオンゲル膜 / CO2分離膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン液体含有無機/有機高強度ダブルネットワークゲル(DNイオンゲル)の高強度発現に寄与するネットワークの影響を解明することを目的とし、本研究では、無機ネットワークと有機ネットワークの設計および各々のネットワーク組成の最適化を行い、特に無機ネットワークが強度発現に及ぼす影響について詳細な検討を行った。また、CO2分離膜材料としてのDNイオンゲルのポテンシャルを検証することを目的とし、高イオン液体含有率のDNイオンゲル膜を作製し、そのCO2選択透過性能について評価を行った。 強度発現に及ぼす無機ネットワークの役割の解明は、予め調製可能なネットワーク原料として、シリカナノ粒子を用いた無機ネットワークの形成法、および精密重合により合成した架橋性高分子を用いた有機ネットワークの形成法を確立した。それらネットワーク原料を用いることにより、無機ネットワークを構成するシリカナノ粒子径やシリカ粒子間の水素結合性が強度発現に及ぼす影響を明らかにするとともに、種々架橋度の有機ネットワークを形成することにより、機械的強度発現のための無機ネットワークの破断とそれに伴うエネルギー散逸効果に及ぼす有機ネットワークの役割を明らかにした。 さらに、無機/有機ネットワーク組成の制御によるDNイオンゲルの機械的強度の最適化と、最適条件における高イオン液体含有率のDNイオンゲル膜の調製を行い、調製したDNイオンゲル膜を用いたCO2透過性能評価を実施した。その結果、DNイオンゲルのCO2透過係数はイオン液体含有率の増大に伴い指数関数的に増大することを明らかとした。DNイオンゲルは高イオン液体含有率でも強度を保ち、最大95 wt%のイオン液体含有率を有するDNイオンゲル膜は理論限界CO2透過係数の67%の性能を発揮できることを明らかとし、高強度イオンゲルが高性能CO2分離膜材料として高い可能性を有することを示した。
|