2022 Fiscal Year Annual Research Report
Preparations of nearly monodispersed nanoparticles and their ordered deposition film
Project/Area Number |
18K04817
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森 康維 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (60127149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 化学工学 / ナノ材料 / 分離・分級 / 微粒子集積 / 表面・界面物性 / 貧溶媒添加法 / 薄膜作製プロセス / 電気泳動堆積法 |
Outline of Annual Research Achievements |
直径10 nm以下の半導体ナノ粒子は,量子ドット(QD)と呼ばれ,特異な光学特性を持つ。この光学特性を向上させるには粒子径分布の狭いQD試料が必要で,工業的な規模でこのような試料を得るために,貧溶媒添加法(SSP;Size Selective Precipitation)が適用できる。サイズの揃ったQD懸濁液から,高密度粒子配列膜を作製する方法として,本研究では電気泳動堆積(EPD)法を検討し,特に規則配列膜を作製する操作方法を見出す。 本年度は粒子の集積速度過程を明らかにする目的で,小角光散乱法を用いて単分散シリカ粒子の急速凝集速度について検討した。 一般に静電気斥力相互作用のない急速凝集条件下では,粒子の凝集はvan der Waals引力相互作用でおこる。しかし溶液中に分散している粒子表面には溶媒分子や溶存イオン分子層が吸着し,粒子間の接近を物理的に妨げている。この吸着層の厚さだけ離れた位置でもvan der Waals引力が熱運動よりも大きくないと,粒子凝集がおこらなくなる。このため粒子径が100 nmより小さくなると,Smoluchoeski理論で推算される値よりも小さくなる。粒子径が50 nmの単分散シリカ粒子を用いた実験では,凝集速度は著しく小さいことを観察したが,吸着層の厚さを考慮した修正Smoluchoeski式の推算値よりさらに小さいことを見出した。更にこの修正Smoluchoeski式推算値と実験値の差は,シリカ表面に存在する脆いゲル層のためであることを,シリカ粒子のろ過実験やPSL粒子を用いて検証した。また脆いゲル層が存在する場合の凝集速度定数を推算する理論式を導くことにも成功した。
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Research Products
(2 results)