2018 Fiscal Year Research-status Report
溶液堆積を用いた磁性ナノ粒子の自己組織化による薄膜形成条件の解明と秩序構造制御
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18K04819
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| Research Institution | Wakayama National College of Technology |
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Principal Investigator |
早坂 良 和歌山工業高等専門学校, 知能機械工学科, 准教授 (20593057)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 粒子シミュレーション / 薄膜形成 / 磁性ナノ粒子 / 自己組織化 / 移動現象および単位操作関連 / 外部磁場 / AI化 / ビッグデータ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
磁性ナノ粒子の薄膜生成と秩序配列構造の制御は電子材料の分野で極めて重要な技術であり，とりわけ磁気記録材料のさらなる大容量化を実現するためには必要不可欠である．しかしながら，従来の薄膜生成技術ではナノサイズの粒子の構造を制御するのは困難である．
そこで本研究では薄膜を生成する新しい技術である『磁気溶液堆積法』の基礎の確立を目指す．具体的には溶液中で粒子を沈降させることにより，磁場と溶液の温度をコントロールして，所望の薄膜を得るための方法と条件を，粒子シミュレーションによって明らかにする．方法と条件の着眼点として，1.強力な外部磁場印加による薄膜生成に与える影響，2.大容量化の限界点，3.液体の温度変化の影響，4.秩序配列構造を得るための条件および生成時間 の解明 があり，当該年度は「1.強力な外部磁場印加による薄膜生成に与える影響」を詳細に解析した．その結果，磁場を強くすると薄膜が形成される条件数が増加するが，ある程度以上の磁場になると条件数が上昇しない限界点が存在することが明らかになった．さらに，当該年度後半は印加磁場は制御しやすい条件であることに着目し，印加磁場を状況に応じて自動制御させるアルゴリズムを追加することで連続的にコントロールさせて生成のAI化も目指した．その結果，状況に応じて最適な磁場の値に収束するようになり，エネルギー負荷の少ない生成方法への展望が広がった．しかしながら，薄膜が形成される条件数の飛躍的な増加は確認できなかった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は4か年計画であり，初年度の課題「1.強力な外部磁場印加による薄膜生成に与える影響」に関して，磁場を強くすると薄膜が形成される条件数が増加するが，ある程度以上の強力な磁場になると条件数が上昇しない限界点が存在することを明らかにすることができた．さらに，当該年度の後半は，磁場の制御を効率的に行うための自動制御プログラムの作成にも着手し，状況や条件に応じて磁場の強さが適切な値に制御することが可能になった．
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は，研究実績の概要で示した方法と条件の着眼点のうち，
2.大容量化の限界点
3.液体の温度変化の影響
4.秩序配列構造を得るための条件および生成時間
の解明を順次予定通り進める．また，H30年度の磁場の自動制御プログラムの導入した結果から，薄膜形成の条件数をさらに上昇させるためには，多角的な視点から創意工夫が必要であると考えられる．上記の2から4の項目と並行して，新たな方法を考案し，解析を遂行する．
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| Causes of Carryover |
初年度は本課題研究に従事する人数は代表者1名であったため，単独のワークステーションによる，研究の推進状況を見極めることが非常に重要であり，今後の購入はその結果を慎重に検討した上で進める必要があった．さらに，次年度から本研究に従事することになる人数に応じて，次年度の購入台数を見極めることも重要であったため，後倒しとした．なお、次年度本課題研究に主力として従事する人数は，代表者の他に1名増え，計2名となった．従って，次年度の早い段階で使用する計画である．
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