2019 Fiscal Year Research-status Report
化学エネルギー変換と電気化学反応を組み合わせたバイオマスからの高効率発電
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18K04826
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蘆田 隆一 京都大学, 工学研究科, 講師 (80402965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 元明 京都大学, 工学研究科, 教授 (60231271)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高効率発電 / バイオマス / 化学エネルギー変換 / 電気化学反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能資源のバイオマスからの発電を、熱機関を利用した従来の発電方法で行うと効率が10~20%程度と著しく低い。本研究では、バイオマスの化学エネルギーを熱エネルギーではなく適切な別の化学エネルギーに変換することでエクセルギーの損失を抑え、さらにその化学エネルギーを電気エネルギーに変換する新規発電方法を提案している。具体的には、レドックスフロー電池にも用いられるバナジウム化合物をバイオマスにより還元し、還元物を電気化学的に酸化する過程で電力を取り出す。提案法の理論発電効率は80%以上と見積もることができ、電気化学反応等の効率を考慮したうえで期待できる50%以上の高効率を目指している。 提案するプロセスは前段の「化学エネルギー変換」と後段の「電気化学的変換」で構成されているが、今年度は主に、前段の「化学エネルギー変換」プロセスの反応速度論的検討を実施した。反応速度に及ぼす固体反応率、ならびに反応原料の濃度の影響を詳細に調べ、反応速度式を定式化した。反応にともなう反応界面積の変化はグレインモデルに従うとし、反応物のVO2+、H+と生成物のV3+の固体への吸着を考慮することによって、実験結果を良好に再現できる反応速度式を決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
あらゆるバイオマスの主成分であるセルロースと実バイオマス試料であるユーカリについて、目的のバナジウム化合物との酸化還元反応が起こることを確認するともに、反応の定量的評価として、反応速度を定式化することができた。これらの結果から、プロセスの実現性をある程度示すことができており、研究の方向性を変えるような重大な問題はなく、おおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
あらゆる反応条件での反応実験を追加し、当該の化学反応の反応速度式の精緻化を行う。得られた反応速度式を利用して、プロセスの概念設計を実施する。また、プロセスの拡張性、発展性を検討すべく、さまざまな原料を用いた反応実験を実施し、それぞれのメリット、デメリットを整理する。
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