2019 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ流体ロボティクスで可視化して解明する微生物のin-situ増殖動態
Project/Area Number |
18K04843
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八幡 穣 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10586457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 海洋微生物学 / 微生物生態学 / ロボティクス / 数値モデリング / マイクロ流体デバイス / 走化性 / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マイクロ流体ロボット技術という全く新しい環境制御技術で実環境や実現場の環境条件を再現し、その中で微生物の細胞増殖を一細胞レベルで可視 化する。具体的には実環境の特徴である「基質濃度の最終揺らぎ」を顕微鏡下で再現し、さらにその中での微生物細胞の挙動を経時的に一細胞レベルで可視化することで、実環境中での細胞増殖速度やその集団内での不均一性の理解を図る。本研究は、実環境中での微生物の増殖を理解するための不可欠なステップであり、応用面においても大量培養系における不均一な増殖の理解への糸口となる。昨年度は数値モデリングからのフィードバックを反映して、より実環境に近い微小環境を再現できる装置が完成した。具体的にはより大きな栄養パッチサイズ の実現を可能にするノズルシステムの設計及び制作と、より均一な攪拌を行う為の新しい攪拌ロッド動作パターンのプログラミング、さらに攪拌ロッド直径の最 適化を行った。本年度は昨年度作成した装置を用いて、エネルギー投入量に相当するパラメータを変化させながら栄養の引き延ばしを可視化する実験を実施し、その結果をシミュレーション結果と比較した。今後は完成した装置を利用して、予定通り研究項目1の基質濃度の最終揺らぎ存在下での微生物平均増殖速度の定量と、研究項目2 基質濃度の最終揺らぎ存在下での 微生物増殖速度の2次元分布の可視化を進める。またシミュレーション結果のフィードバックから、微生物の栄養フィラメントへの凝集の可視化の重要性も示されたため、併せて進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 計画通りの進捗状況であり、とくに問題は無い。 またシミュレーションの結果を受けて、装置の改良の実施を行ったほか、また新たに微生物の栄養フィラメントへの凝集の可視化の重要性も浮かび上がってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
完成した装置を利用して、予定通り研究項目1の基質濃度の最終揺らぎ存在下での微生物平均増殖速度の定量と、研究項目2 基質濃度の最終揺らぎ存在下での 微生物増殖速度の2次元分布の可視化を進める。またシミュレーション結果のフィードバックから、微生物の栄養フィラメントへの凝集の可視化の重要性も示されたため、併せて進める。
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Research Products
(8 results)