2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of key regulators of heterosis in allopolyploid microalgae
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18K04847
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
前田 義昌 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30711155)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 異質倍数体 / 雑種強勢 / 微細藻類 / 珪藻 / トランスクリプトミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
微細藻類の一種である珪藻のFistulifera solarisは、2種類のゲノムを併せ持つ異質倍数体(雑種)である。その影響によりF. solarisは微細藻類の中でも特に脂質を高蓄積する形質を有し、バイオ燃料原料の生産ホストとして注目されている。そこで本研究では、F. solarisが持つ2種類のゲノムの構造や発現挙動といった特徴を解析することにより、雑種微細藻類の雑種強勢に関与するキーレギュレーターを探索することを目的とした。2020年度では前年度に決定した、F. solarisの異質倍数体ゲノムの構造から異質倍数体の雑種強勢に関与し得るゲノム構造の探索とその発現解析を行った。前年度に発見したタンデムリピート構造をとる脂質合成遺伝子は、ゲノム内の相同遺伝子の中で最大の発現量を示すものではなかった。しかし、F. solarisが脂質を蓄積する過程において常に一定量の発現を示すことから、脂質合成代謝において一定の役割を果たすことが示唆された。さらに2020年度においてナノポアシークエンサーのリードデプス情報の詳細な解析から、ゲノム構造の中でコピー数が高い領域が存在することを新たに見出した。高コピー領域には光合成に関連する遺伝子が含まれており、バイオマス生産を強化することに貢献している可能性がある。このことから、高コピー領域はF. solarisの雑種強勢に寄与し得る新たなゲノム構造であると考えられた。
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