2019 Fiscal Year Research-status Report
立体構造情報にもとづく制限酵素FokIのDNA切断反応機構の解明
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18K04859
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 義雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (20415657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 大二郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80613265)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | FokI / 制限酵素 / ゲノム編集 / 構造解析 / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
Type IIS制限酵素は特定のDNA配列を認識し、認識配列とは離れた箇所においてDNAを切断する。しかしながらType IIS制限酵素が、どのようにして認識配列から 正しい距離を測って切断箇所を決めているのか、どのような触媒機構でDNAを切断しているのか、まだ不明な点が多い。これまでに報告されてきたFokIの結晶構 造は、FokIの触媒中心とDNA上の切断箇所が遠く離れており、活性構造ではないことが明らかとなっている。そこで本研究では、X線構造解析によりFokIと基質 DNAとの複合体の結晶から、活性型の構造を解き明かすことを目的とする。 昨年度までに最適化したFokIタンパク質を発現精製条件を用いてFokIRタンパク質を精製し、今年度においては、DNAとの複合体の結晶化を行った。精製したFokIRタンパク質とDNAを混合した後に、結晶化のためのリザーバーへと添加し結晶が成長する条件のスクリーニングを行った。DNAの種類を2種類試したところ、一方では硫酸アンモニウム系で結晶が得られ、もう一方ではPEG系で結晶が得られた。これらの条件において、結晶の回折像が得られたものの、いずれも構造決定できるほどの解像度が得られなかった。そこで、それぞれの結晶化条件をさらに細かく最適化を行った後に、得られた結晶のX線回折像を測定したものの、残念ながら期待された解像度が得られなかった。次年度では、検討するDNAの種類を増やすこと、タンパク質DNA複合体の精製を行った後に結晶化すること、X線以外の構造決定化法を検討する等の検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結晶化したタンパク質のX線回折像が十分でないことは予想されており、いくつかの解決手段を用意している。
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Strategy for Future Research Activity |
検討するDNAの種類を増やすこと、タンパク質DNA複合体の精製を行った後に結晶化すること、X線以外の構造決定化法を検討する等の検証を行い、複合体の構造を解明する。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに進められたところではあるが、結晶化に焦点を当てて実施したため、安価な試薬の使用にとどまった。翌年度は研究アプローチを増やして満額実施の予定である。
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