2018 Fiscal Year Research-status Report
Study of electromagnetic wave absorption by nanostructured metal / oxide interface and applications to solid state catalysis
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18K04882
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米谷 真人 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (40578647)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 界面 / マイクロ波 / ナノ材料 / 固体触媒反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1.界面双極子を主要因とする界面での選択的加熱機構の明確化と界面での化学反応への影響の主要因を明らかにすること、および2.この界面加熱現象を固体触媒反応系へ応用した革新的反応加速技術の実験的立証を中心課題としている。 1.界面双極子モデルに基づく加熱機構の解明について、白金ナノ粒子/酸化物(TiO2、Al2O3)の構成について、粒子堆積方法に、スパッタおよび液相堆積法(塩化白金酸前駆体溶液のキャストと焼成)により金属ナノ粒子/酸化物界面のサンプルを形成し、加熱特性と物性について検証した。スパッタにより形成したサンプルにおいても、液相堆積法のサンプルと同様に、マイクロ波照射下において明確な加熱特性を得た。さらに、材料の界面構造の解析として、XPSを用いて白金および白金酸化物、塩化物の形成について評価した。結果として液相より形成した粒子では、明確な白金酸化物および塩化物由来の塩素成分が金属白金と共に共存することを確認した。一方で、スパッタによる白金では、金属白金のピークのみが見られ、その他不純物の影響は低いと考え、加熱特性は酸化物や塩化物等の不純物による影響ではなく金属/酸化物界面に起因する可能性が高いことを示した。
2.革新的反応加速技術の実験的立証について、界面加熱を固体触媒反応系および薄膜形成技術へと適用し、化学反応、薄膜形成の迅速化を検証した。 固体触媒反応系については、これまでの経緯から既にマイクロ波印加による反応速度の向上を明らかにしているが、これをモデル系による数値シミュレーションを利用して電磁波印加によるローカルな領域での加熱を定量的に見積もり、これにアレニウス式から化学反応速度を見積もることで、このローカルな加熱因子が巨視的な反応速度の違いに影響を与えることを提案した。また、顕微放射温度計にてこの粒子界面でのローカルな加熱について実際に観測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノ材料/基材構造に関わるマイクロ波加熱挙動および、気相流通系反応におけるマイクロ波効果について、ローカルな加熱による効果を確認し、さらには顕微放射温度計から温度分布を実際に確認することで、このローカルな加熱がマイクロ波の反応促進効果の主要因となりうることを明らかにしており、さらには、次年度の金属ナノ粒子を担持した系に展開するための準備として、金属粒子を酸化物担体に担持した固体触媒においてマイクロ波加熱が可能であることを確認している。一方、固-液界面での反応速度に対するマイクロ波の影響について詳細に評価した結果を得、メカニズムの検証を進めている。さらには、薄膜形成過程に対してパルスマイクロ波を導入することで、反応促進効果についても確認しており、現在この手法による薄膜物性への影響について詳細に検討しており、全体としては計画通りの進捗と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
固-液系において界面電子移動反応がマイクロ波により影響を受けることを明らかにしており、ニッケル金属粒子の分散溶液中において、マイクロ波およびヒータによる加熱を行うことで、ビピリジン誘導体の還元反応に与える影響を比較する。 一方、薄膜形成過程に対してパルスマイクロ波を導入することで、反応促進効果についても確認しつつあり、この手法による薄膜物性への影響について、光電変換デバイスへの適用を考えて、界面での電子移動過程について、過渡吸収・発光分光により詳細に解析を進める。
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Causes of Carryover |
科研費を受け入れ不可な機関への転出のため、2019年度4月30日にて廃止の予定のため。
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Research Products
(3 results)