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2020 Fiscal Year Research-status Report

炭素ナノ空洞を利用した極性分子の配列・配向制御による極微小誘電体の作製と物性解明

Research Project

Project/Area Number 18K04894
Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

松田 和之  神奈川大学, 工学部, 教授 (60347268)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsナノチューブ / 水 / 極性分子 / ナノ細孔
Outline of Annual Research Achievements

単層カーボンナノチューブは直径が数ナノメートルの物質である。通常は複数本の単層カーボンナノチューブが集合して2次元3角格子を組み、直径数10~数100ナノメートル程度のバンドルを形成している。単層カーボンナノチューブは内部に一様な空洞を有するため、この内部空洞を利用することでナノスケールの微小な物質を作製することが可能である。このようなナノ空洞内の物質では通常のバルク物質とは異なる物性が出現する。本研究では極性分子の一種である水分子を内包させることで、単層カーボンナノチューブのナノ空洞に微小な誘電体を作製し、その構造と電気特性を、核磁気共鳴実験、X線回折実験、走査型プローブ顕微鏡、直流電気抵抗測定、交流インピーダンス測定、古典分子動力学シミュレーションにより調べている。2020年度は研究実施場所がコロナ禍によるロックダウンを実施したことにより実質的な研究期間が著しく制限されたため、試料作製、走査型プローブ顕微鏡観察、直流電気抵抗測定を集中的に行った。実験では、エタノール中で単層カーボンナノチューブを分散する際の条件を変化させることで、平均バンドル直径の異なる分散液を用意し、それを用いてフィルム試料およびシリコン基板上の薄膜試料を作製した。作製した薄膜試料は走査型プローブ顕微鏡観察により、試料を構成する平均的なバンドル直径を評価した。作製した試料について、電流-電圧特性を調べ、定性的に水吸着により電気抵抗が減少する結果を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初は、平均チューブ直径やバンドル直径の異なる数種類の単層カーボンナノチューブフィルム試料と薄膜試料を作製し、それら試料について系統的に原子間力顕微鏡観測と電気特性測定を行う計画であった。しかし、コロナ禍による本研究の実施機関のロックダウンや、研究消耗品購入が研究代表者による立替払い措置となるなど、研究実施が制限される事態が生じた。そのため、いくつかの試料に関し水分子の吸脱着による電気特性の変化が確認できたものの、それがチューブ直径およびバンドル直径にどのように依存しているかまでは解明できなかった。

Strategy for Future Research Activity

平均チューブ直径やバンドル直径の異なる数種類の単層カーボンナノチューブフィルム試料と薄膜試料を作製し、それら試料について系統的に原子間力顕微鏡観測と電気特性測定を行う。この実験により、本年度に解明できなかった、水分子吸着カーボンナノチューブ試料の電気特性が、ナノチューブ直径やナノチューブバンドル直径にどのように依存するのかを調べる。

Causes of Carryover

当初は平均直径が異なる単層カーボンナノチューブを用いて、それらのナノチューブバンドル直径も調整した薄膜試料を作製し、その原子間力顕微鏡観測と電気抵抗測定を行う計画であった。しかし、コロナ禍による本研究の実施機関のロックダウンや、研究消耗品購入が研究代表者による立替払い措置となるなど、研究実施が制限されたため、本年度の予算に計上していた、高純度単層カーボンナノチューブ試料、試料調整用薬品、試料石英管、原子間力顕微鏡用カンチレバー、薄膜試料用基板など実験に必要な消耗品の使用量が当初の予定より少量となり、次年度への繰越金が生じた。

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Published: 2021-12-27  

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