2020 Fiscal Year Research-status Report
多層膜金属触媒を用いた湿式シリコン基板垂直エッチング法の高精度制御に関する研究
Project/Area Number |
18K04916
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
清水 智弘 関西大学, システム理工学部, 教授 (80581165)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新宮原 正三 関西大学, システム理工学部, 教授 (10231367)
伊藤 健 関西大学, システム理工学部, 教授 (50426350)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 化学エッチング / Si高アスペクト比構造 / MEMS / TSV |
Outline of Annual Research Achievements |
湿式貴金属触媒選択エッチング法を用いたSi基板の垂直ホール形成において、今年度はエッチングに用いる溶液の組成がエッチング形状に与える効果と界面活性剤の添加がエッチング形状に及ぼす効果について研究を行った。 溶液の組成に関してはエッチング液中の酸の割合が増えると、エッチング中に触媒膜が変形・分裂する傾向が表れることを明らかにした。透過電子顕微鏡を用いた観察では、この溶液の濃度と触媒とSi基板間の酸化膜の厚さに相関があることを見出したが、酸化膜厚さが具体的にどのように触媒膜の分裂に影響するかについては、さらなる研究が必要である。 一方、界面活性剤の構造がSiのエッチングにどのように作用するかを調べた。類似の構造で異なる疎水基長の塩化ベンザルコニウムと塩化ベンジルトリエチルアンモニウムを用いて、界面活性剤の疎水機の長さがエッチングにどのような影響を及ぼすかを調べた。疎水基の長い塩化ベンザルコニウムでは、疎水基が短い塩化ベンジルトリエチルアンモニウムと比べエッチング液中でSi表面への界面活性剤の吸着が促進され、少ない濃度でもエッチングの抑止効果が強く表れた。このように基板に吸着した界面活性剤はエッチングを阻害し、さらに疎水基が界面活性剤のSi基板上への吸着に影響していることを明らかにした。 本成果は湿式貴金属触媒エッチングを用いたSiの垂直エッチングにおいて、エッチング形状を改善するための指針を与えると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね計画通りに順調に研究を行っていたが、昨年度のコロナウィルスによる自粛の影響で研究が行えない期間や物資が届かなかった期間があり、その分、研究が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
溶液の濃度依存性の研究結果については、現在足りないデータを追加し、論文発表の準備を進めている。 また、添加剤に関する研究結果についても今後学会発表などを行いながら、論文化するためのデータを収集する予定である。
|
Causes of Carryover |
国際学会への出張等を予定していたが、昨年度コロナウィルスの影響により、学会が中止またはオンライン開催となったため。 今年度、出張や発表が可能ならば旅費として使用する。もし出張が困難な場合は、論文を出版する費用や研究に必要な消耗品として使用する予定。
|
Research Products
(2 results)